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政府は「万景峰92」号「入港不能状況」の排除を

 小泉首相は「日朝平壌共同宣言」の実行化を問われるたびに、諸懸案は包括的に解決する主旨の発言を繰り返してきた。しかし、米上院聴聞会での黒覆面男性の証言報道を境に、10年余も就航してきた「万景峰92」号の「設備から不法輸出入疑惑」まで連日、耳目を疑うほどの報道の中、日本政府は異例の措置。「船」は正常な環境での入港は不能として出港を中止した。

 政府は、冷静かつ現実的対応により入港不能状況を排除する責任がある。

 言えば、一つに船籍を問わずいかなる船にも合法的な措置を取るのは当然だが、なぜ今なのか。

 二つに、日本の過去の植民地支配で分断された在日朝鮮人の、祖国との自由往来唯一の手段ともいえる「船」を奪う「入港不能状況」は、人道問題であり排除されるべきだ。(佐藤恒晴、元衆院議員、社民党福島県連代表)

[朝鮮新報 2003.6.19]