「直ちに日朝国交交渉を」−日「韓」194人が声明発表 |
日本と南の知識人194人が署名した「東北アジアの平和を求める日韓市民共同声明」が8日、東京とソウルで発表された。 声明は「イラク戦争でアメリカの劣化ウラン弾やクラスター爆弾などが大量に使用された結果、多数のイラク市民が犠牲になった」と指摘した上で、「このような戦争、このような悲劇が東北アジアにおいて繰り返されることを認めることはできない」と強調。さらに声明は@米政府は北朝鮮政府を攻撃しないと表明することA日本政府は日朝国交交渉をただちに再開すること―などを求めた。 記者会見に出席した漫画家の石坂啓さんはテレビである軍事評論家が「北は酷い、とんでもない国だ、叩き潰せ」などと発言していたと述べ、「この空気はとんでもない。(朝鮮は)なかなかつきあうには難しい国だが、『こちら側には敵意がない』ことを示して、仲良く隣人関係を結ぶべきだ」と指摘。さらに石坂さんは2000年の6.15南北共同宣言発表の際にも、息子に学校を休ませた秘話を紹介、「学校で学ぶよりもっと感動的な世界史的できごとをテレビの画像を通じて直接子供に見せたかった」と語った。そして、昨年の小泉首相の訪朝によって、日朝の国交が開かれると確信していたが、着地点がねじれてしまったことは残念だと指摘。厳しい情勢ではあるが、平壌宣言にそって、様々な日朝間の問題を解決すべきであり、「安部晋三氏が言っている『聞く耳を持たない対話』ではいけない」と強調した。 また、牧師の東海林勤さんは「米日両国が北に対して『圧力』などと言う資格はない。道義的にも実質的にも過去の植民地支配の清算もできずにいる日本こそ負債を背負っている。日本政府は米国の北朝鮮孤立化政策に追随しており、市民もマスコミの反北宣伝をうのみにして反感をつのらせている。こういう現状を一日も早く打開して、平和の環境を作りたい」と力強く語った。 なお、声明に署名したのは南朝鮮側は尚志大総長姜萬吉、詩人の高銀、金芝河、作家の黄ル映、俳優の安聖基の各氏ら89人。日本側は漫画家の石坂啓、作家の小田実、東大教授の姜尚中、東大名誉教授の和田春樹氏ら105人である。 [朝鮮新報 2003.6.18] |