「非戦と友好の新しい波を」−大阪で作家の辺見庸氏が緊急講演会 |
作家の辺見庸さんが、大阪青商会、近畿人権協会など4団体の後援で、4月26日、大阪市生野区民ホールーで開かれた「辺見庸緊急講演会」で講演した。 「いま、非戦と友好の新しい波を! 来るべき危機に抗うために」と題する講演には約400人以上の聴衆が詰めかけ、熱心に耳を傾けた。 辺見さんはまず、イラクへの米国の侵略戦争に触れて、米国という「21世紀の帝国」が今回、イラクで駆使したのは高度技術の精密誘導兵器であり、その根本思想は、強い者のみが世界を暴力的に支配できるという中世的で、じつに野蛮なものであった、と強く非難した。さらに、米帝国のハイテク化され電子化された野蛮な絶対暴力が荒れ狂ったイラク侵略戦争は、戦争と呼べる物ではなく、一方的な「死刑執行」であったと断じた。 辺見さんは主権国家を侵略して政権を転覆し、新しい統治機構を暴力的に樹立する権利が米国に与えられていいものだろうか、と述べ、「このことを根本から問い、いまはっきりと『ノー』と言わなくてはならない。もしも、これが許されるならば、イラクの地獄絵はいつの日か朝鮮半島に及ぶことになる。私は朝鮮半島にいるハルモニたちの頭上にトマホークが落ちるなんて、想像するのもたえられない」と語った。 辺見さんは最後に「日朝韓民衆の本来の願いに立ちもどり、特に若い在日朝鮮人たちが現在の風景にひるまず、心を一つにして戦争に反対し、堂々と胸を張って生きていってほしい」と語った。 [朝鮮新報 2003.5.20] |