南昇祐副議長の談話 |
最近、日本の一部勢力とマスコミは朝鮮民主主義人民共和国の貨客船「万景峰92」号について、「工作指令船」「スパイ船」「不正送金ルート」「核・ミサイル機材運搬船」等々、ありとあらゆる謀略的な誹謗中傷を繰り返し、入港阻止の法的措置を取るべきだと騒ぎ立てている。 そればかりか、「万景峰92」号に対する誹謗中傷を朝鮮総聯と意図的に関連づけ、頭から「犯罪組織」扱いし、いわゆる「公安情報」や奇怪な「情報」を垂れ流して世論をミスリードしている。 これはわが国の尊厳と名誉を傷つけ、朝鮮総聯のイメージを貶めようとする卑劣極まりない暴挙である。 私たちは民族的怒りをもって、日本の保守反動勢力と一部マスコミの悪らつな策動を断固糾弾するものである。 昨年9月以降、日本では「拉致問題」を契機に常軌を逸した反共和国、反朝鮮総聯キャンペーンが間断なく繰り返されてきた。 今回新たに繰り広げられている「万景峰92」号に対する不当なバッシングの背後には、極めて悪質かつ不純な意図が隠されていると指摘せざるを得ない。 突如として「公安情報」をもとに、ありもしない「万景峰92」号での「工作活動」なるものをでっちあげ、これにあたかも朝鮮総聯が関与しているかのような世論を作り上げ、あげくには10年前に正規の手続きを踏んで行われた民生用設備の取引まで持ち出し、「総聯系企業」が「万景峰92」号で「ミサイル関連機器」を不法に輸出したかのごとくでたらめを並べ立てている。 さらには日本の参議院本会議で、野党議員が朝鮮総聯に対する「規制」を求める暴言を吐くという由々しき事態まで起こっている。 もとより、「万景峰92」号による「不正送金」や「不正輸出」などはまったくの事実無根である。 「万景峰92」号の日本への寄港や乗船、積荷に関するすべての事柄は、日本の行政当局の厳正な管理のもとに行われている。 また祖国訪問新潟出張所は、在日同胞の人道的な祖国訪問事業が円滑に行われるよう役割を果たしている。 「万景峰92」号の運航において、ただの一度も日本の法に触れることがなかったということは日本当局も周知の事実である。 「万景峰92」号をめぐる一連の策動は、わが国に対するブッシュ政権の封じ込め政策と連動するものであり、反朝鮮感情と世論を煽って朝・日関係をより悪化させるものにほかならない。 元山―新潟間を運航する「万景峰92」号は、親族訪問や墓参、修学旅行や商用、観光などのため祖国を訪れる在日同胞のための旅客船である。 同船はまた、多くの日本の各界人士と市民のみなさんを乗せ、朝・日民間交流でも大きな役割を果たし、平和と友好の架け橋として親しまれている。 にもかかわらず、あえて「万景峰92」号を狙い撃ちにして誹謗と中傷を行い、入港まで阻止しようとすることは、国際法を踏みにじるものであり、在日同胞の祖国往来の自由を奪う重大な人権侵害と言わざるを得ない。 それはまた、朝・日平壌宣言を速やかに履行し、平和で共存、共栄する朝・日新時代を切り開こうとする時代の流れに逆行するものである。 日本の一部勢力とマスコミは、「万景峰92」号に対する誹謗や中傷、運航を阻害する行為を直ちに取りやめるべきである。 私たちは日本当局に対して、「万景峰92」号が支障なく運航できるよう適切に対応することを強く求めるものである。 最後に、広範な日本国民のみなさんが在日同胞の祖国往来のための「万景峰92」号の運航に深いご理解とご協力を寄せてくださることを心から願うものである。 [朝鮮新報 2003.2.20] |