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参議院本会議での朝鮮と総連に対する暴言と関連し南昇祐副議長が談話発表

 南昇祐総連中央副議長は、22日の参院本会議での質疑応答の中で、広野自由党議員と小泉総理が朝鮮と総連を誹謗中傷する発言をしたことに対し23日、次のような談話を発表した。

 1月22日午前の参議院本会議において、自由党の広野ただし議員は「…犯罪国家である北朝鮮と極めて密接につながる朝鮮総連を野放しにするというまったくもって信じられない脳天気な政策を取っている」という暴言を吐きながら、小泉総理に答弁を求めた。小泉純一郎総理は「北朝鮮の強い影響下にある朝鮮総連の動向については関係当局で重大な関心をもって情報収集をしている。具体的な違法行為が確認されれば厳正に対処し、法律の範囲内で可能な限りの措置を講じる」と答弁した。

 広野議員の発言は、朝鮮民主主義人民共和国を「犯罪国家」と決めつけ、朝鮮総連が犯罪行為を行っているかのような印象を与え、厳重に取り締まれといわんばかりの常軌を逸した言動であり、日本国内でわが国と朝鮮総連への敵意と偏見を意図的に煽ろうとする時代錯誤的な暴言だと断じざるをえない。

 われわれは、国会の本会議という場でこのような到底許すことのできない暴言を吐いた広野議員に対し、民族的怒りをもって厳重に抗議し、ただちに撤回することを強く要求する。

 昨年9月17日に金正日総書記と小泉総理自身が調印し、相互信頼関係にもとづく一日も早い国交正常化の実現と在日朝鮮人の地位問題の協議を謳った歴史的な「朝・日平壌宣言」にてらす時、広野議員の質問に対する小泉総理の答弁はまことに遺憾に思う。

 1955年5月の結成以来、朝鮮総連は在日朝鮮同胞の権益擁護団体として、内政不干渉の原則にたって日本の法律を順守し、民族教育と同胞の生活向上、祖国の平和統一と日本国民のみなさんとの親善交流に尽くしてきた。そのことについて、広範な日本国民のみなさんが理解と支援を寄せてくれていることは、周知のとおりである。

 在日同胞は過去、日本の朝鮮植民地支配によって日本へ移り住むことを強要され、その後もあらゆる偏見と差別の中で生きることを余儀なくされてきた。

 このような在日同胞の組織である朝鮮総連に対する悪意に満ちた暴言が、「朝・日平壌宣言」発表後も止むことなく続いていることは非常に憂慮されるべきことである。

 国会におけるわが国や朝鮮総連に対する悪質な言動が繰り返されるたびに、罪のない朝鮮学校の学生らが脅迫や嫌がらせ、暴言や暴力などの被害を被り、在日同胞の生活が脅かされてきたのは周知の事実である。

 このたびの参議院本会議での言動によって、不慮の事態が起こった場合、そのすべての責任は、広野議員と日本政府当局が負うべきである。

[朝鮮新報 2003.1.25]