〈8.15民族大会〉 6.15のもとに団結を |
【平壌発=金志永記者】祖国光復58周年を迎え北南の共同行事として平壌で行われた「平和と統一のための8.15民族大会」。北側代表らは今回の大会を「民族史的事変」と位置づけその意義を強調した。 2つの抑止力 民族和解に対する北側の期待と意欲は、彼らが準備した行事の内容と形式に現れていた。 大会が行われたのは綾羅島と大城山。北、南、海外の850人の代表らと共に2000人の平壌市民が参加した。一般市民の参加は、まさに「開けた」印象を与えた。昨年のソウル大会とは対照的であった。 民間行事である8.15大会を支援、共助することは、7月の第11回北南閣僚級会談で双方当局が合意をみている。それを裏づけるように、会場には、閣僚級会談北側代表の金゚星内閣参事が姿を見せ、開会式では洪成南総理が祝賀演説を行った。 今回の大会は、6者会談を控えた時期での開催となった。緊張状態の中で北と南の民族共同行事を開催することができたのは「われわれに戦争を抑止する力があったから」と誇らしげに語る市民らの姿が多く見られたが、大会では「民族共助より優る戦争抑止力はない」(朴順姫朝鮮民主女性同盟委員長)など、「団結」というもうひとつの「抑止力」が確認され、いっそう強化していくことが強調されたのが印象的であった。 「南北は一体」 民族の団結という政治的な力で戦争危機を回避しようという意志は、南の代表らも同じであった。 「停戦協定締結から50年が経つが、戦争は終わっていない」(南の民族宗教協議会ハン・ヤンウォン会長)との認識に基づくのなら、今日の核対決は停戦状態の延長線上にある。北の譲歩ではなく、米国の「力の政策」を挫折へと追い込むのが真の平和のためにはまず必要である。そのためには民族が一丸となり米国と対しなければならない。南の代表らはこのような民族的観点から平和問題を論議した。結論は「われわれはひとつ。6.15の精神に基づき大同団結し、戦争を回避しよう」(南の民和協尹在撫任議長)というものであった。 統一連帯の韓相烈常任代表は演壇で、「民族一体」と書かれた扇子を広げながら、全民族が反戦平和運動を繰り広げることをアピールした。 高い次元の団結 6.15宣言は「戦争危機が高まっている現在こそ、さらに力を発揮する旗じるし」(民主労総段炳浩委員長)である。さらに当局、民間を問わず、すべての民族が掲げるべき旗じるしだ。 以前から南の民間団体は「大同団結」のスローガンを掲げて、社会の民主化と統一のために闘争してきた。逆に言えば、「大同団結」の強調は、主張と見解の違いによりひとつになることが簡単ではなかったということでもある。6.15共同宣言により「わが民族同士」の理念が示されるや、「大同団結」の核となったのである。今回南の200の団体から参加した300人の代表らが主張したのは、さらに次元の高い「大同団結」であった。 北は「一心団結」のスローガンを中心にすえ国づくりを進めてきた。 平壌での行事は、平和と統一のため北の「一心団結」と南の「大同団結」が6.15の旗じるしのもと、ひとつになることができ、その道すじがすでに開かれていることを示した意義深い祭典であった。 [朝鮮新報 2003.8.21] |