牡丹峰で「平壌のど自慢」−朝鮮中央TV、KBSが同時放映 |
【平壌発=李松鶴記者】朝鮮中央テレビとKBS(韓国放送)は光復節にあたる15日、朝鮮の労働者、農民、そして南の歌手らが出演した「平壌のど自慢」を同時放映した。この番組は11日、牡丹峰野外ステージで収録された。会場は笑いと熱気に包まれていた。 打ち解ける出演者
KBSは毎週、南の各地で「のど自慢」の番組収録をしているが、その一環として今回、初めて朝鮮中央テレビと共同で平壌で収録を行った。当日は多くの平壌市民らと共に、朝鮮を訪問している在日同胞をはじめとする海外同胞が観覧した。 司会を務めたのは朝鮮中央テレビアナウンサーのチョン・ソンフィさんと、番組の名物MCであるソン・ヘさん。ソンさんが開口一番、「南男北女という言葉がありますが、チョンさんのような美人と一緒に司会ができて本当に嬉しいです。会場のみなさん、どうです? こうして並ぶと恋人同士か夫婦のように見えませんか?」と会場に問いかけると、チョンさんは「それでもいいのですが、欲を言えば父娘のように接してくれた方が嬉しいですね」と切り返し観客の笑いを誘った。 「平壌のど自慢」には、市内に住む老若男女が次々と出演し、「アリランメドレー」や「牡丹峰」をはじめ、「半月歌」「涙に濡れた豆満江」などの啓蒙期の歌などを披露した。労働者や農民など出演者たちのレベルの高さにソンさんも舌を巻いたようで、「いやー、本当にびっくりします」と感嘆していた。 なかでも、「わが故郷」を77歳という高齢とは思えない美声で歌い上げたリ・チュンボンさんには心から感服したようで、「健康の秘訣は何ですか?」などと話を交わすうちに、故郷が同じ黄海南道だと知ると、「じゃあ、これからはお父さんと呼んでもいいですか?」。これにはリさん、「年格好(ソンさんは76歳)から見れば、息子というより弟だろう」と反論。すっかり打ち解けてしまっていた。 歌われる北の歌
「平壌のど自慢」には、南から歌手であるソン・テグァンさんとチュ・ヒョンミさんも出演した。チュさんは北の歌である「口笛」を歌い観衆から惜しみない拍手喝采を浴びた。 チュさんは、「『口笛』はソウルでも最近よく聞くけど自分が歌うのは初めて。それも初めて来た平壌で、北の人たちの前で歌ったから感激もひとしおです」と語った。 まだまだ一部とはいえ、北の歌が南で親しまれているのも事実のようで、「会えば『パンガプスムミダ』だし、別れるときは『タシ マンナプシダ』を歌います」(ソンさん)とのこと。 フィナーレでは出演者一同が「私たちはひとつ」を合唱。ソンさんは、「南北がひとつになって歌う姿を見て、胸が熱くなったことでしょう。その気持ちこそが統一へと一歩近づくとになるんです」と語った。ソンさんの言葉に出演者たちは手に手をとって、「タシ マンナプシダ」を観客らと共に熱唱。北と南の出演者たちは涙を流し抱き合いながら別れを惜しんだ。 「平壌のど自慢」は統一が一歩一歩近づいていることを実感させてくれる場となった。 [朝鮮新報 2003.8.16] |