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〈6者会談〉 平壌市民、関心と期待

 【平壌発=金志永記者】朝米間の核問題に関する6者会談が北京で間もなく行われる、と朝鮮外務省スポークスマンが4日明らかにした。この発表は、朝鮮国内でも大きな関心と期待を集めている。

一貫した主張

 外務省の発表で平壌市民が注目している点は、@不要な段階を踏まず直接6者会談を開くAその枠組み内で朝米双務会談を行うBこのような朝鮮側の提案に米国が同意した―という点である。

 6者会談開催の提案の核心部分は、朝米が対話の当事者として会談を行う枠を設けたところにある。これは昨年10月、平壌を訪問した米大統領特使の「北が核開発計画を是認した」との一方的主張によって朝米対立が深まって以来、朝鮮が一貫して主張してきた問題解決の方式だ。つまり「双務協議を通じた不可侵条約の締結」である。

 米国は「先核放棄、後対話」との主張を繰り返してきたが、朝鮮の「強硬策には超強硬で対応」するという戦略により、対話をせざるを得なくなった。朝鮮は米国の政策転換がないかぎり、「核抑止力」を持つ意志を明らかにしている。

限られた選択肢

 朝鮮は米ブッシュ政権に対し敵視政策の放棄を迫っている。「米国の政策転換なしには、朝鮮半島の平和と地域の安全も実現できない」(朝鮮外交官)からだ。

 朝米間の敵対関係の清算は、朝鮮の統一をはじめ、北東アジアの情勢の大きな転換につながる。「不要な段階を踏まず直接6者会談を開く」という朝鮮の提案には、核問題に決着をつけて政治地図を塗り替え、積極的な外交攻勢に出ようとする朝鮮の政策意図がうかがえる。

 市民の間では「朝鮮は原則を貫いているが、米国は譲歩と後退を繰り返している」という見方が大勢を占めている。

 米国が今回の会談で、対朝鮮政策転換の意志を国際社会に示さず、引き続き圧力をかけるなら、せっかくの会談も瞬く間に決裂するだろう。そうなると、朝鮮は事前に予告したとおり「核抑止力」による対米戦略を検討するだろう。

 米国にとって6者会談は、時限爆弾の仕掛けられた協議の場と言っても過言ではない。唯一超大国といっても選択の幅はそう広くない。朝鮮との敵対関係を清算する決断だけが、力と力の対決を事前に防止できる、唯一の選択である。

[朝鮮新報 2003.8.16]