一心団結を1票に−最高人民会議道、市、郡人民会議代議員選挙 |
【平壌発=李松鶴記者】3日全国で一斉に行われた最高人民会議および道(直轄市)、市(区域)、郡人民会議代議員選挙。平壌市内の第36号選挙区第4号分区選挙場を訪れ取材した。 会場は祭りのよう 朝鮮で選挙場(投票所)は、学校がその空間として利用されることが多い。第36号選挙区第4号分区選挙場は牡丹峰第1中学校。朝から祭りのような雰囲気に包まれていた。運動場には国旗が掲げられ、正装で選挙場に訪れた市民らが踊りを繰り広げていた。 この選挙場では、最高人民会議代議員候補に朝鮮人民軍白鶴林次帥、市人民会議代議員候補に金正淑託児所リ・ヒョンジュ所長、区域人民会議代議員候補に女子柔道のケ・スンヒ選手がそれぞれ推薦された。 市民らは選挙者(有権者)名簿から自分の名前を確認して投票する。家族といっしょに選挙場に来た青年中央会館リョム・ソクプ副総長(51)は、「選挙の日を迎え、ワクワクする。われわれがさらに団結し、社会主義制度を守っていかなければと決意をかみしめている」。仕事上、青年たちと多く接するリョムさんは、選挙を迎え青年たちの意気込みに勢いが増していると指摘しながら、この勢いで朝鮮創建55周年をさらに意義深く迎えようとする雰囲気が満ちていると話していた。 選挙権は満17歳から与えられる。有権者として初めて選挙に参加した金日成綜合大学1年生のチン・ウンギョンさん(17)は、「私が賛成投票することにより、わが国の一心団結を誇示することができるとしたら、ほんとうに素晴らしい」。朝鮮公民としての誇りを胸に、勉学に励んでいきたいと心を新たにしていた。 選挙場には、在日同胞をはじめ多くの海外同胞の姿も見られた。選挙に初めて参加したという南武朝鮮初級学校教員のソン・ミョンミさん(43)と千葉朝鮮初中級学校教員のキム・ミョンソンさん(45)は、感慨無量と口を揃えながら、「朝鮮の社会主義を守るのに役立ちたい」と話していた。 投票を終えた海外同胞たちは、踊りの輪に加わり、市民たちと一緒に楽しいひとときを過ごした。 審査討論、公開で 朝鮮での選挙は、各選挙区に1人ずつの代議員候補が推薦され、これに対して有権者たちが賛成あるいは反対の投票をする。いわゆる信任投票である。 候補者は、政党、社会団体が共同あるいは単独で推薦する。市民らによって推薦されることもある。 最高人民会議常任委員会対外事業部のチョ・グムチョル課長は、「推薦された候補者は、100人以上の各階層市民で構成される選挙区委員会の資格審査で、過半数の賛成を得てはじめて候補者として登録される」と、説明してくれた。候補者の経歴などすべての情報は公開され、選挙区委員会の討論も公開で行われるという。 「憲法上は、最高人民会議と道、市、郡人民会議の代議員選挙は別々に行うのが原則となっているが、任期5年の最高人民会議代議員選挙が98年に、任期4年の道、市、郡人民会議代議員選挙が99年に行われたこと、そして戦勝50周年と建国55周年を祝う行事を迎えるということから、いっしょにすることになった。米国の対朝鮮圧殺政策によって戦争危機が高まっている中でも、予定通り、そして盛大に選挙を行うことで、朝鮮は揺るぎないということを誇示できたと思う」(チョ課長) [朝鮮新報 2003.8.7] |