〈第11回北南閣僚級会談〉 双方が協力の意志確認 |
10日からソウルで開かれていた第11回北南閣僚級会談が12日に終わり、共同報道文が発表された。会談で北と南は、6.15共同宣言を固守履行しようとする立場と意志をもって上程された問題と提案を真しに協議した。今回の会談は、全民族が6.15共同宣言の基本精神を積極的に生かしていくとき、民族の和解と団結、協力活動も、祖国統一も成し遂げられるということを再度はっきりと示した。12日発朝鮮中央通信は、会談結果について報道しながら、「今回の会談は、民族共助で国の平和を守り、自主統一の転換的局面を切り開くうえで重要な契機となった」と報じた。会談には、北側から金゚星内閣責任参事を団長とする代表団メンバーと随員、南側から丁世鉉統一部長官を首席代表とする代表団メンバーと随員が参加した。 北側、一歩踏み込んだ提案
北側は今回の会談で、核問題による朝鮮半島の危機を打開して平和を守り、北南和解を促進させるためのいくつかの提案をした。そのひとつは、朝鮮半島での平和守護意志を、北と南が共同で確認する措置を取ろうということであり、また、朝鮮半島情勢を戦争局面に導くいかなる行為にも加担せず、こうした行為に民族共助で対処しようというものである。 現在、朝鮮半島に緊張がもたらされている状況下でも、北南間の合意事項は着実に実現されている。6月には東西海線鉄道、道路連結式、開城工業地区建設着工式、離散家族、親せき面会などが行われた。北側の提案は、この間に成し遂げた成果に基づいた、一歩踏み込んだ提案であると言える。 北側の金団長は、1日目の会談の冒頭、「今回の会談は朝米間の問題を討論する会談ではないが、こういう問題をもって意見交換しよう」と語った。核問題による朝鮮半島の危機を打開するための提案をすることを示唆していた。この問題で北側は、民族共助を再三再四強調していた。 これに対して南側は、核問題の平和的解決について語りながら、米国が主張している多者会談の受け入れを主張した。そうすれば北南関係もうまくいくとの見解を付け加えた。5月、ワシントンでの韓米首脳会談の結果発表された共同声明の精神を踏襲した主張である。 北側は、まず朝米が会って米国の意志を確認した後で、多者会談にも応じることができるという立場を明かした。 しかし南が多者会談に固執したため、会談は最後までもつれた。一時は共同報道文の採択も危うい状況であった。 見解の差は小さくはなかったが、北側は民族同士が膝を交える会談で、ひとつの声を出そうと最大限に努力したと見られる。それが6.15共同宣言の精神と信じているからである。 民族共助で転換的局面を
最終日の12日午前8時30分、北南関係者たちの慌ただしい動きがあった。 北側の金団長が、前日の晩餐会で、「重大な問題を論議しているので、真しに協議を繰り返し行っている。全民族に喜びを与えられるような結実があることと確信している」と語ったとおり、紆余曲折はあったが双方は共同報道文を発表した。 共同報道文には「核問題を適切な対話の方法を通じて平和的に解決するよう協力することにした」という文句が明記された。 北は、多者会談自体に反対しているのではない。核問題は朝米の敵対関係の清算から解決の糸口を探らねばならないという立場から、「先朝米会談、後多者会談」が一貫した主張。これは、問題の本質と性格に対する研究と分析に基づいているもので、外部の圧力や懐柔で変更できるものではない。 朝鮮中央通信が「今回の会談は、民族共助で国の平和を守るうえで重要な契機となった」と指摘したことは注目すべき点である。南当局は、「多者会談の可能性が広がった」と評するだけでなく、この問題に関する北側の立場を関係国に伝え、核問題が「適切な対話の方法」で解決できるような環境を作る、実質の行動が要求されている。【ソウル発=文聖姫記者】 [朝鮮新報 2003.7.17] |