〈朝鮮学校へ行ってみよう〉 下関朝鮮初中級学校でイベント、800人で盛況 |
「朝鮮学校へ行ってみよう」。そう銘打った催しが15日、下関朝鮮初中級学校で行われた。市民レベルで在日同胞と日本人の交流を目指す目的で催されたもので、同実行委員会が主催した。今年で8回目となった恒例の行事では授業参観や同校生徒の公演、朝鮮料理のバザー、在日同胞マジシャンの安聖友マジックショー(昼、夜の2回)などが行われた。約800人の同胞と日本市民が集まった会場は、かつてない盛り上がりを見せ、下関地域同胞と日本市民の連帯の強さを再確認する行事となった。 3年生がチヂミ 当日は公開授業、ふれあいコーナー、小公演やサムルノリ、世界マジック大会グランプリ受賞者の安聖友マジックショー、飲食バザーなど数多くのイベントが催された。 「ふれあいコーナー」では、生徒たちによる朝鮮の歌やチャンゴが披露されたほか、ウリマル教室、朝鮮将棋や伝統遊戯が紹介された。マジックショーでは、一瞬にして体育館をイリュージョンの世界に変える数々のマジックに観覧者は驚きを隠せない様子だった。南朝鮮の人々による「サムルノリ」もその本場の迫力に会場全体が息を飲んだ。 飲食バザーでは、朝鮮料理を知ってもらおうと、アボジ、オモニたちがトック、トッポギ、ピビンパ、カルビ、ホルモン鍋などを一生懸命に準備した。また、同校中級部3年生の生徒が準備したチヂミなどが無料で振舞われ、売り場は人々でごったがえした。 「子どもに罪ない」
同校の朴亨信校長は、「毎年同胞と日本人合わせて150人程度の参加者があった。昨年は日本人だけを招いたが、拉致問題の影響で参加者が約30人しかいなかった」と話す。 それだけに、「厳しい情勢にもかかわらず、本当にこれだけの人が集まったのは、主催した学校関係者と日本人の方々の力によるものだ」(朴校長) 実行委の藤野和夫さんも「朝鮮学校を訪れ、生徒や学父母たちと実際に触れ合うことで、理解は深められるはず」と積極的に参加を呼びかけた。 今回の行事は、日本人主催者と学校関係者が一丸となって準備を進めてきたもの。
「とにかく学校がわき立つ、そんなイベントにしたい」というのが実行委員会メンバーの一致した意見だった。実行委や関係者らが一軒一軒、家を訪ねてチラシを配るなどした結果、延べ800人近い人々が集まった。 公開授業を見学した山崎喜代美さんは、「(朝鮮学校を訪れるのは)初めてで緊張しながらの参加でしたが、子供や先生方の熱心な授業風景から、本当に『学んでいる』という姿勢を感じた」と語った。 公演での生徒たちの一生懸命な姿に心打たれたという鬼塚幸枝さんは、「子供たちにはなんの罪もないのに、歴史の残酷さを改めて考えさせられた」そうだ。 安聖友マジックショーでアシスタントを務める春奈さんは、「掃除が隅々まで行き届いていて、びっくりしました。地域の人たちをはじめ、生徒たちが本当に学校を愛しているのがうかがえます」と強調した。 ラジオ番組を制作する鈴木悠子さんは、「子供たちの表情がとても生き生きしていて、みんな人なつこくとっても楽しかった。朝鮮に対する見方が変わった。今日の感動をより多くの人に伝え、日朝の友好関係を深めていきたい。また来たいです」と語っていた。【下関初中】 [朝鮮新報 2003.11.26] |