〈日本各地でのサマースクール〉 山口・九州ブロック |
日校生ら「民族」を再確認 山口・九州ブロック(3〜5日、山口県秋吉台)には福岡、山口県から日本の中学、高校に通う同胞生徒ら40余人が参加し、料理バトル、キャンプファイヤーにフォークダンス、スポーツ大会などの楽しい時間を満喫しながら交流を深めた。参加者たちは、班別ミーティングや全体討論、朝高生たちとの交流を通じて「民族」を再確認し、今までに知らない自分に出会う格好の場となった。 本音で話し合える場
「自分と同じ境遇の仲間がここにはたくさんいる。そんな在日の友達と思いを共有できるのが一番うれしい」 福岡学生会会長の徐拓也くん(高3)。今年で3回目のサマースクール参加だ。みんなが本音で語る全体討論の場で、一番に胸の内を語った。「高1の時、本当は行きたくなかったし、『在日』は名乗りたくなかった。でもサマースクールに参加してそんな不安はなくなった。ここは本当の友達ができるし、悩みを打ち明けられる場所だ」。 山口から参加の安昌幸くん(高3)は、「2度目の参加だが、自分の民族や祖国のことを話し合える場なんてここしかない」と言葉は少ないがその思いは熱い。 「なにもかもが衝撃的だった」と語るのは、初参加の李栄愛さん(山口、高1)。「何回も班別ミーティングで話しあい、在日にもいろんな考え方や悩みがあることを知った。朝高生とは通う学校は違っても同じ民族だと思ったし、本音で話しあう過程で涙を流す子もいたりしてびっくりだった」。 「朝鮮学校の子とはいくら話しても合わないと思っていたし、苦手意識があった」と話す李将登くん(福岡、高1)は初めての参加。 朝高生と初めて話して、「偏見を持っていたのが間違いだった。みんないい人ばかりで、民族や国籍について多くのことを語り明かした。仲良くなってまた来年も参加したいと思った」と語った。 今回、2泊3日と短いなかでも「朝鮮学校に行ってみたい」と決意を新たにした日校生もいた。 黄由恵さん(山口、中3)は、「同じ境遇のみんな、朝高生や指導員たちと話をする過程で自分の民族のことについてしっかり分からないとだめだと思った。朝鮮学校に行ってみたい」と何かがふっきれたような笑顔を見せた。 朝鮮人の誇りを 初めて参加した九州朝高の金洸導くん(高2)は、「初めは日校生とどんな話をすればいいか不安でいっぱいだったが、僕たちには分からない悩みを抱えているのを知った。やっぱり同じ民族だし、朝鮮人として堂々と生きていこうと素直に話しあえた」と話した。 また、山口朝高の李貞愛さん(高3)も初めての参加だが、「こうやって日校生たちと直接話し合うのがどれだけ重要なことかを実感した。ここに集まった日校生たちにはこれからも朝鮮人の誇りを持って生きていってほしい」と語った。 金聖愛さん(福岡、高2)は、「日本社会の中で『民族の誇り』を持って生きていくのはとても難しいことだと思うけど、ここで得たものをみんな忘れずにがんばってほしい」と全体討論の場でみんなに訴えた。「今まで通名で通っていたけど、大学は本名で通います」(金さん)。(金明c記者) [朝鮮新報 2003.8.23] |