top_rogo.gif (16396 bytes)

「同胞、学校に元気与えたい」−東京朝鮮第4初中級学校チャリティーライブ開催

 東京朝鮮第4初中級学校のためのチャリティーライブ「for your future−未来を君たちへ…」が6月28日、同校体育館で行われ、昼夜合わせて約600人の同胞、日本市民が観覧した。女性同盟東京足立支部が企画、主催したもので、今回が2回目。2001年4月に行われた1回目の企画では、地域のオモニと子どもたちが出演、作詞家の康珍化さんが作詞した曲をプレゼントするなど話題となった。今回は、同地域に居住する金剛山歌劇団の李栄守さん(功勲俳優)と同団器楽部、同校卒業生で東京朝鮮歌舞団の鄭慶洙さんの歌と演奏によるライブ形式で行われた。チャリティー金50万円は公演終了後、康年才・女性同盟委員長から同校の尹太吉校長に手渡された。

みんなの拠り所

チャリティーライブでは民族情緒あふれる演奏も行われた

 なぜ、この時期だったのか。「9.17以降いまだに鳴り止まない朝鮮バッシングは私たちの心に大きな傷跡を残した。朝鮮学校児童、生徒に対する嫌がらせも頻発し、それに輪をかけ、大学受験差別も起こっている。同胞の生活が脅かされ続けるなか、みんなに少しでも元気を与えたかった」と康委員長は語る。

 足立は全国でもめずらしく、1支部管下に1学校を有する地域だ。外壁はタイル張り、体育館まで備えた学校は都内でもまれ。「それだけ足立同胞の学校に対する思いは強いといえる。どんなに情勢が悪くても、やっぱり学校はみんなの拠り所。それなら学校を拠点に同胞たちを元気にするイベントを組めないかと考えた」と語るのは、全栄玉副委員長だ。

 学校に贈呈するチャリティー金は同胞からの賛助金とチケット販売でまかなうため、支部スタッフ、分会、オモニ会メンバーらが持ち前のチームワークで地域同胞宅を訪ねた。

 「来てくれるか不安もあったが、予想に反して大勢の同胞が集まってくれた。ライブ終了後、チャリティーの足しに、とお金を置いていってくれる人もおり、本当にありがたかった」(沈裕子総務部長)

「勇気わいた」

 ライブでは、チャリティーイベントの主題歌「明日また会いましょう」(作詞・康珍化、作曲・李栄守)や、済州島民謡「カムスグヮン」、民族楽器の演奏、日本の歌謡曲などが披露され、好評を博した。

 「ライブを通して朝鮮人としての民族性を再確認してもらいたかった」と語るのは金一美・文化宣伝部長だ。感想文からは、「勇気がわいた」(李花基、67)、「日本の大学に通っているため、久々に民族文化に触れ、民族性を再確認した」(元貞蘭、21)、「あらためてウリハッキョの大切さを知り、今後は私たちが学校を守っていかなければならないと強く思った」(韓明愛、27)などの感想が聞かれた。松本週子さん(38)は、「自国の文化を大切にしている気持ちがひしひしと伝わってきた」と語った。

現状アピールも

同地域に居住する金剛山歌劇団歌手の李栄守さんの軽快な民謡に合わせて、オッケチュムも飛び出した

 ライブには、「区の役員をはじめとするより多くの地域住民に、朝鮮学校の現状に触れてもらおう」という思いもあった。足立区が同校に助成金の支給を始めたのは11年前のことだが以来、その額は全国的にみても6000円という最低レベルにとどまっているためだ。

 当日は区の総務部、私学振興課役員らが観覧し、一様に「すばらしい公演だった」と絶賛。李和子・子女教養部長は「これからもさまざまな角度から働きかけ、理解を深めたい」と述べていた。

 同支部では「支部と同胞間の風通しを良くしたい」と、2月に保護者を対象にした民族教育アンケートを実施。5月には情報誌「サランヘヨ、足立」も創刊した。今後は朝鮮ゆかりの地を訪ねるフィールドワークや朝鮮半島をテーマにしたセミナーなども行っていく予定だ。

 「常に地域同胞社会のニーズを探り、彼らに元気を発信していきたい」(康委員長)(李明花記者)

[朝鮮新報 2003.7.5]