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「会えばわかる」−アンニョンハセヨ2003東京朝高国際文化祭

 14日に行われた「アンニョンハセヨ2003−東京朝高国際文化祭」。4回目となる今年は、外国人学校の大学受験資格問題を広く伝え、外国人学校同士のきずなをいっそう深めようとインドネシア共和国学校、ブラジルのコラージオ・ピタゴラス校群馬校生徒らがフットサル、文化公演に出場。祭祀など恒例の朝鮮民族の風習を再現したコーナー、展示「朝鮮学校ってどんな学校。」、各種屋台なども準備し、3500余人が訪れた。同校朝高委員会の河鐘泰委員長(高3)は、「今日はさまざまな文化をもつ同世代が集い『会えばわかる』ことを実感した。韓国や中華学校が参加できなかったのは残念だが、来年はぜひ参加してほしい」と語っていた。

フットサル

朝高、ブラジル、インドネシア学校生徒がともに汗を流したフットサル大会(写真はブラジルと朝高の生徒たち)

 「ヴァイ、ヴァイ!」(ポルトガル語で「行け」)「アヨー、アヨー!」(インドネシア語で「がんばれ」)―東京朝高、ブラジル、インドネシア学校生徒が参加しフットサルが行われた運動場は、さながら「ミニ」W杯会場のようだった。

 幼稚園から高校までの学制を整備し、全国に6校あるブラジルのコラージオ・ピタゴラス校のうち群馬校から訪れたのは、13人のサッカー選手たち。同校のサイトウ・マルセロ・ケンジくん(高2)は朝高との対戦後、玉のような汗を流しながら「朝高生はとてもうまかった。練習法を聞いてみたい」とニッコリ。

 日本の大学進学を目指す朝高サッカー部の姜昌秀キャプテン(3年)は、「おもしろかった、の一言に尽きる。日本学校の生徒も参加できればもっと良かったが、一日も早く外国人学校に対する差別が是正されるようこれからも交流を続けたい。今後は『外国人学校対抗サッカー大会』などもできれば」と述べていた。

文化公演

文化公演で民族楽器のアンクルフンの演奏を披露するインドネシア学校生徒たち

 特設会場ではインドネシア学校生徒が民族武道のブンチャックシラットと楽器・アンクルフンの合奏を披露した。同校は41年の歴史を持ち幼稚園から高校までを有しているが、この日は中高生総勢30人が参加した。

 演奏したエリザベス・ルイス・マルセーラさん(15)は、「楽しかった。朝鮮学校は生徒が多くて学校も広い。日本にコリアンの人がこんなにたくさんいるとは知らなかった」と新たな発見に興奮した様子。

 また、客席で演奏を観ていた朝高民族管弦楽部の「炯烈くん(高1)は、「朝鮮の楽器にも竹を使ったものがたくさんあるので、とても興味深かった。ぜひ一度、演奏してみたい」と興味しんしんだった。

しゃべり場

 午後12時半。「私たちのミレ・未来・Future…をかたろう!−ここが変だよ文科省」と題し、同校多目的ホールで行われた「しゃべり場」。参加した約120人の同胞・日本の高校、大学生らは10人1組に分かれ、日本政府の教育差別について意見を交わし合った。

 同校の朴日豪くん(高3)が、「1人でも多くの同胞たちが朝鮮学校で学ぶことができるよう環境を整えてほしい」と訴えると、山口朝高時代のダブルスクール経験について、「精神的、肉体的負担を受けた」という朝大生の姜潤華さん(3年)も、「マスコミの偏向報道にまどわされず、朝鮮学校が置かれた現状をより多くの人々に知ってもらいたい」と強調した。

 都内の大学に通う日本人学生(19)は、「過去の歴史をみた時、本来なら日本政府は1条校以上の助成金を与えるべき。私たち日本人の問題として何とかしていきたい」と語っていた。

 NGO団体「ピースボート」共同代表の日高悦郎さんは、「ともに日本に住む『市民』としての立場から物事を変えていく努力が必要だ」と呼びかけた。

[朝鮮新報 2003.6.17]