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同胞結婚相談センター通じゴールインしたカップルの子どもがウリハッキョに入学、入園

 「在日同胞の民族結婚への想いを受け継ぎ、花開かせたい」をモットーに、94年に開設された同胞結婚相談中央センター。センターの紹介で見事ゴールインした数多いカップルの中には、今年の4月から子どもを朝鮮学校や幼稚班に入学、入園させた夫婦がいる。長野と群馬を訪ねた。(李松鶴記者)

「自分に合った道見つけて」−長野初中幼稚班

仲がいい金良樹くん(左)と尚樹くん

 「第1印象が良かった」と口をそろえて話す金相誠さん(36)、金福蓮さん(33)夫妻(長野県松本市在住)。

 「初対面のときから2人で何時間も話し込んでいたから、よほど気が合ったんでしょう」と、相誠さんの母・金花江さん(59)も語る。2人はそれぞれの住む長野と大阪を行き来しながら、96年11月に結婚した。

 「学生時代の12年間は寄宿舎生活で、社会に出てからも転勤続きでほとんどが寮暮らし。決まったところに帰れるということと、家で待っていてくれる人がいるというのが一番大きな変化」と、笑顔で語る相誠さんに対し、福蓮さんは「結婚するまでバリバリ働いていたのが、今は子どもに追われる毎日で、『自由』がなくなった」と相誠さんの顔を見る。

 夫妻には、良樹くん(5)と尚樹くん(4)の2人の息子がいる。良樹くんは長野朝鮮初中級学校幼稚班の年長組に通っており、尚樹くんは今年4月に同幼稚班の年少組に入園した。

 相誠さんは「自分の仕事のかたわら、支部の事業に打ち込むアボジの背中を見て育ったせいか、子どもを朝鮮学校に入れるのは当然だと思った」と話す。

 そして、「僕たちが学生の頃は受験戦争もなかったし、ある意味で楽だった。でもこれからはそうはいかない。子どもたちには、いろんなことを経験させたい。その中から自分に合ったものを見つけてくれれば」と語る。

 一方の福蓮さんは、「長男には『朝鮮の熊川哲也』になってほしいので、バレエを習わせたい」という。しかし、当の本人はバレエよりピアノに興味を抱いているとか。花江さんは「何でも話し合えるような仲のいい夫婦になってほしい」とほほ笑んだ。

「民族の代つなぎたい」−群馬初中

ピカピカの制服とランドセルにご機嫌の高ポラムちゃん(左)と弟のセナルくん

 群馬在住の高博明さん(40、仮名)と金栄恵さん(36、仮名)夫妻は、結婚して7年になる。

 「自分の仕事にプライドを持っているところに惹かれた」2人は、予定を1年伸ばして結婚した。それは、教員をしていた栄恵さんの「受け持った子どもたちを、責任を持って送りたい」という希望からだった。

 当時、群馬と宮城で働いていた2人はめったに会うことができなかったので、博明さんが給料の出るたびに1万円分のテレホンカードを栄恵さんに送ったという。「まだ携帯電話のなかった頃で、少ない給料の中からテレホンカードを送ってくれるのがうれしかった」と栄恵さん。

 一方の博明さんは、「本当に出会えてよかった。一般的に、専従活動家と結婚したら苦労するという先入観がある。生活が苦しい面もあるが、群馬では組織や地域の同胞がバックアップしてくれている。民族結婚の重要性が強調されているが、まずは専従活動家が範を示すべき」と語る。

 2人の間には、ポラムちゃん(6)とセナルくん(4)の一男一女がいる。「ポラム」「セナル」という名前には、朝鮮人として誇りを持って堂々と生きてほしいという夫妻の思いが込められている。今年の4月には、ポラムちゃんが群馬初中に入学した。

 博明さんは、「子どもたちが片言の朝鮮語をしゃべったりするのを見て、民族の代をつないでいることを実感できる時」にうれしさを感じるそうだ。

 そして、「朝鮮の言葉や歴史、文化を習う過程で朝鮮人として自覚を持ってくれれば」と願っている。

[朝鮮新報 2003.4.26]