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質向上、運営合理化、民族教育の再構築へ−九州中高、北九州初級起工式

 学校法人福岡朝鮮学園の新築工事起工式が10日、現地で行われた。建設されるのは、来年4月からスタートする九州朝鮮中高級学校と北九州初級学校(附属幼稚班)校舎、体育館、高級部生徒の寄宿舎で、九州朝高の跡地(福岡県北九州市八幡西区折尾)に同年3月の完成を目指す。起工式には、九州民族教育再構築委員会(以下、再構築委)委員長の鄭泰文・総聯福岡県本部委員長をはじめとする九州地方の各総聯本部委員長、福岡朝鮮学園の崔有福理事長、福岡県商工会の朴昌玉会長、同胞学父母と北九州市関係者、学校周辺の日本市民らが参加した。

左から北九州初級、九州朝高、体育館の完成予想図

 同学園を主管する総聯福岡県本部では、8年前の1995年から、1世が創造し発展させてきた民族教育の業績と伝統を新たな環境と同胞らの志向、要求に応えられるよう、再構築していくことを検討。5年前に再構築委を発足、懸案問題の対策を具体化、解決に向け活動してきた。

 今回、5700坪の敷地(建設面積2286.1坪)に九州中高の3階建ての校舎と体育館、北九州初級の4階建ての校舎(4階は体育館兼講堂)、高級部生徒の寄宿舎などが建設される。

 来年度、新校舎完成とともに同校での授業が始まるが、九州地方の民族教育を新たな段階へと発展させる契機と位置付けられている。

 九州中高では中高級段階の民族教育を一貫して行う。県下の中級部は来年度から同校のみの設置予定となるが、各学校に配置されていた中級部の教員を1カ所に集めることで、教育の質を高めるとともに運営の合理化を計る(初級部は北九州、福岡、筑豊の3校)。

 朝高1期生で、市との交渉などを担当してきた同学園の崔有福理事長は、「積年の努力が実り感慨無量だ。民族教育の現状は、抜本的な対策を求めていた。互いの信頼関係を築いていく中で、揺るぎなく事業を進めることができた。起工式は九州地方における民族教育再構築の出発点に過ぎないが、今後の活動を通じて、有能で力強い教員集団、同胞非学父母も魅力を感じる学校、活動家も確信を持って入学を勧められる学校を作っていきたい」と語っていた。

 なお起工式には、北九州市の高野利昭・教育長ら多くの関係者から祝電が寄せられた。(羅基哲記者)

[朝鮮新報 2003.4.17]