日本の市民が神奈川県下朝鮮学校新入生の入学祝う |
神奈川県のNPO団体をはじめ日本の市民らが、朝鮮学校に通う生徒たちの新しい門出を祝い、県内4校の朝鮮学校の入学式に訪れて新入生たちを祝った。 手に手に「入学おめでとう」ののぼりを掲げ、新入生たちを祝う日本の市民たちの姿に新入生もうれしそう。「応援隊」は今月1日には川崎、鶴見、南武の朝鮮学校に23人、5日には横浜市の神奈川朝鮮初中高級学校の入学式に市民、教員ほか、県や市の職員など26人が駆けつけた。 神奈川朝鮮初中高級学校の入学式で禹載星校長は「日本の人たちが朝鮮学校の生徒たちが心おきなく学校に通えるよう、応援隊をつくって通学路を見守ってくれている」と発言。場内からは拍手が沸いた。 「応援隊」の企画は、昨年9月以降続いている朝鮮学校に対する脅迫、暴言に胸を痛めた日本の市民たちで考えられた。先月から呼びかけ人を中心に、メールなどで広く参加を呼びかけてきた。 入学式に参加した父母たちは「日本の方たちの励ましはとてもありがたい」と話していた。特に第1子を朝鮮学校に送る親たちの想いはひとしおだ。 東白楽から息子の金勇圭くんを送る金愛玲さんは「情勢が厳しいので不安がいっぱい。当の子供は勇気百倍で電車通学ができるとはりきっているが、親の気持ちは複雑だ。でも、日本の人たちがこうして子供たちを見守ってくれると思うと心強い」と話し、井土ヶ谷から40分かけて通学する申舜伊ちゃんの母親、李京順さんは「通学途中の人為的な悪質行為に対しては残念ながら防ぎようがないと思う。数日前、朝鮮新報を通じて『応援隊』の話を知ったとき、なんてありがたいことかと思った。心配は尽きないが、だからといって子供を日本の学校に送るわけにはいかない」と話していた。 呼びかけ人代表の横川芳江さんは、自国の言葉と歴史を学ぶ教育の場に、「危険だからという理由で、子供を送らないのはとても残念」と話す。 ボランティアスタッフたちは、同朝から生徒たちの登校にあわせ、通学路の「安全確保」のため見守りも開始。雨風が吹き荒れる中、朝7時45分から約1時間、JR横浜駅から横浜市沢渡にある神奈川初中高までの通学路で生徒たちを見守った。 生徒たちは、時折聞こえてくる「応援隊」の「アンニョンハセヨ〜」、「いってらっしゃい」の声に「アンニョンハシムニカ!」と、元気良く応えて去って行く。 「応援隊」の見守りは、金曜日まで約1週間続いた。(金潤順記者) [朝鮮新報 2003.4.12] |