教科書編さん委員会
教科書の作成過程はまず、教科書編さん委員会というところで教科書編集の方針を決め、資料を集めて執筆に取りかかります。
前回の編さん事業は、10年前に行われました。今回はその後の新たな研究を踏まえて、1999年に発足しました。メンバーは、朝鮮大学校教員をはじめ、現場の各地の初中高級学校教員、学友書房の職員たち約180人になります。
委員会では国語、社会、歴史、地理、数学、情報など17の分科に分かれ、それぞれの教科書のカリキュラム、教科書の内容について他の専門家の意見も取り入れながら、どのようにまとめるかという検討を進めてきました。
当初は部分的な改編という意見もありましたが、21世紀に生きる同胞の子どもたちが日本はもちろん、北南朝鮮、国際社会を舞台に力を発揮できる民族性と実力を育てるために、全面改編することになりました。
こうした研究、討議の過程を経て執筆へと進むわけですが、教科書の内容(原稿)については、「分科別に各委員が研究したものを全体で検討するという過程を多い時では5〜6回繰り返した」(宋事務局長)ものもあったそうです。
執筆された原稿は、最終的に学友書房の編さん局にわたり、次の工程へと移ります。
原稿は編さん局で再チェックした後、出版局へと行きますが、その途中で、教科書の内容をわかりやすくするために、内容に沿った写真やイラスト、図表などが作成されます。初級部の教科書では、1ページにひとつは写真やイラストなどが入るよう心がけたそうです。 |