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朝鮮大学校−学部色生かし各方面で実践

学生たちの課外活動

 朝鮮大学校には学部ごとに学生委員会があり、学生たちは授業以外の生活の多くを課外活動についやしている。放課後の体育、文化、科学などのサークル活動、社会奉仕、研修などの実践活動など多方面にわたる。それを統括するのは、学生委員会だ。「昨年、『モチベーションと実践力』をキーワードに各学部学科の特色を生かした活動を展開したところ、統一コリア、同胞社会のニューリーダーとして責任を持って未来を開拓していかなければならないという意識を強めることができた。学生生活が楽しいという声も増え、活気にあふれている」と、同委員会の安泰斗代表は手応えを感じている。

 政治経済学部支部では昨年、東京都内の日本の高校317校すべてを訪問し、在学する同胞生徒の動態調査などを実施。文学部支部は、朝青西東京本部管下で開校する青年学校(朝鮮語教室)用の教材を作成した。

 歴史地理学部支部では、朝・日「平壌宣言」に関する資料を作成して各地の朝鮮学校や総聯支部に配布。経営学部支部は商工会で働く卒業生と合同研究会を発足させ、中小企業金融問題をテーマに同胞商工人の現状をレポートしてまとめた。同研究会の趙顕太さん(3年)は、「現実を直視することで、これから何をすべきかをはっきりと知ることができた。専門知識を身につけ、同胞社会に貢献できる実践能力を備えていきたい」と強調する。

 また外国語学部支部では、西東京朝鮮第1初中級学校の児童、生徒を対象にした英語教室を開校。理工学部支部は総聯、女性同盟支部の行事をビデオ撮影し、上映するなど地域同胞らの好評を得た。教育学部支部は人権協会の協力のもと、朝鮮学校に対する日本の各自治体の教育助成実施状況について調査。体育学部支部では日本体育大学との交流を開始した。

 「同胞社会に直接入り、自分の目で見て肌で感じ、考えることによって学生たちは、自分たちに何が求められているかについて深く考えるようになった。そして、そこで学んだことを学業にも生かしていこうとの姿勢が見られる」と、同委員会の金チャドル指導員は語る。

 こうした結果、昨年末の学科別研究討論会では一昨年に比べて多くの論文が提出され、学生たちの探究心が高まっていることがうかがえた。

 ほかにも、「鳥類繁殖研究サークル」の韓昌道さん(教育学部2年)が国際シンポジウムで研究成果を発表し、教育学部の鄭哲さん(4年)は、朝鮮における山林保護問題にプラスとなる研究成果を得るなど、より現実かつ実践的な研究にも取り組むようになっている。

 また、バスケットボール部の学生は昨年夏、12ある各地の朝高を巡回し、後輩たちを指導した。

 一方、体と心に障害を抱える子どもを持つ家族のネットワーク「ムジゲ(虹)会」には、数年前から学部を問わず多くの学生がボランティアとして参加しているが、昨年4月からは月1回、「TUTTI」と名付けて音楽活動を通じたボランティア活動に60人を超える学生が参加するまでになっている。(羅基哲記者)

日校317校訪問、同胞生徒の動態調査(政治経済学部)

 昨年10、11月、東京都内の日本の高校317校すべてを訪問し、同胞生徒の動態調査を行った。厳しい情勢下のことだっただけに、拒否されたことは一度や二度ではなかった。費用もかさんだ。

 「しかし、これは同胞社会の未来と直結する問題。厳しい情勢であるからこそ、そこに入っていく意義があった」と姜鎭赫さん(4年)。その結果、対応校の中から26人の同胞生徒が日本学校に通っていることが判明し、47人の日本の教員と連けいを持つことができるようになった。

 また同学部の学生たちは、留学同西東京本部・武蔵野支部と週1回の学術交流も開始し、昨年末には日本の大学生も交えて明治大学で「在日朝鮮人社会の未来を考える日朝学生シンポジウム」を開催した。

 また同胞1世の体験談をまとめる作業にも着手し、総聯西東京本部、中部支部傘下の1世の証言をつづったドキュメンタリービデオを完成させた。

 4年の韓昌秀さんは、「実践活動をすればするほど、もっと学ばなければということを感じるようになった。これを肥やしに社会進出後もっとがんばるつもりであり、後輩たちには学ぶ意欲をもっと高め、社会に出る準備を進めてもらいたい」と目を輝かせていた。

各自治体の教育助成実施状況、名目別、私学と比較し調査(教育学部)

 教育学部の学生たちは昨年5月から、日本の各自治体による各地の朝鮮学校に対する教育助成の実施状況について調査を開始した。目的は、助成金のアップを図り、同胞学父母らの負担を少しでも軽くさせるとともに、そうした過程を通じて民族教育を発展させるためだ。

 ぼう大な労力、時間を要する調査だったが、人権協会と緊密な連けいを図りながら、そのための基礎資料作りに余念がない。

 まずは現状を知るための週1回の学習から始め、夏休みを利用して都道府県レベルの支給情況を調べた。

 「理解不足で2度、3度と現地に足を運ぶこともあったが、そうした過程を通じてウリハッキョの実情、またこれから何をすべきかもわかるようになった」と教育学科4年制(=男子)の姜承基さん(3年)。

 資料は、地域ごとの支給名目の違い、また日本の私学との比較についてまとめる予定だ。

[朝鮮新報 2003.3.3]