東京朝鮮第4初中級学校初級部5年生、埼玉・谷塚小学校と交流 |
東京朝鮮第4初中級学校(足立区)の初級部5年20人の児童が18日、埼玉県草加市立谷塚小学校を訪ね交流を深めた。5年生同士の交流会は昨年2月に続き2回目のことで、谷塚小学校からの呼びかけにより始まった。この日のために昨年11月から互いにビデオレターを交換するなど準備がすすめられてきた。当日は、スポーツ大会や文化公演を行ったほか、朝鮮学校児童が3つのクラスに分かれて入り、朝鮮の民俗遊戯を楽しんだり給食をともにするなど楽しい1日を過ごした。 午前9時過ぎ、東京朝鮮第4初中級学校のスクールバスが谷塚小学校の校庭に到着すると、谷塚小学校5年生110人が並んで出迎えの準備を整えていた。谷塚小児童の「東京朝鮮第4初中級学校のみなさん、ようこそおいでくださいました。楽しい交流会にしましょう」というあいさつで交流会はスタートした。 午前中は体育館と運動場でスポーツ交流が持たれ、両校対抗によるドッジボールやバスケットボール、サッカーの試合が行われた。 フリータイムの時間では、朝鮮第4の児童が分散して3つのクラスに入り、交流を深めた。谷塚小の子どもたちは、「アンニョンハセヨ(こんにちは)」と事前に覚えた朝鮮語であいさつ。「名前は何ていうの」「僕の名前を朝鮮語で書くとどうなるの」「朝鮮学校ではどんな勉強をしているの」と矢継ぎ早に質問を投げかける。緊張がほぐれた朝鮮第4の子どもたちも準備したコニノリ(朝鮮の民俗遊戯)の遊び方や朝鮮語を教えるなど、子供同士の世界が広がった。 直接触れ合うこと 東京朝鮮第4初中級学校と谷塚小学校の交流が始まったのは昨年から。谷塚小の総合学習の一環として、朝鮮第4に呼びかけたことから交流が始まった。 谷塚小の市村勝校長は「自分たちの身近なところにもいろんな国の人が暮らしていることを児童たちにわかってほしい。机の上の勉強だけではなく直接触れ合うことが大切だと思います。朝鮮学校との交流は児童たちにとってまたとない機会です」と語る。 昨年は3時間だった交流会を今年は朝から行うことにし、両校の担任が昨年11月から両校を訪ねて入念な準備も進めた。 児童の手作りによるビデオレターを交換したり、朝鮮第4からは「チェーサー(朝鮮語で第4)発やつか行」という新聞を、谷塚小からは「やつか発チェーサー行」と題する新聞を数回交換し合った。また、朝鮮第4から5年生全員の顔写真やプロフィールが書かれた手紙を、谷塚小からは朝鮮に関する質問が書かれたアンケートを送るなど、事前に理解を深めてきた。 「その結果、親近感を持つようになり、谷塚小の先生、児童たちの中で朝鮮に対する理解も深まりました。その日だけの交流で終わらせるのではなく、新聞の交換など6年生になっても交流を続けていこうと谷塚小の先生とも話し合っています」と担任の柳成浩先生は語る。 仲良くなれて良かった 交流会の最後には文化公演が行われた。谷塚小の児童たちの公演が披露された後、朝鮮第4の児童たちが日本の歌「翼をください」を2学期から練習してきた手話を交えながら日本語と朝鮮語で合唱。次に6年生の舞踊部5人も加わって舞踊「小鼓の舞」を披露した。 公演を見た谷塚小の子どもたちは口々に「ものすごくうまかった。同じ歳なのに朝鮮語も日本語もしゃべれるし手話もできる。朝鮮学校の友達はすごいと思う」と語っていた。 最後に、朝鮮第4の金龍河校長が「朝鮮と日本の間には不幸な歴史があったが、21世紀の主人公であるあなたたちが友好の虹をかけられるようにこれからも仲良くしてください」とあいさつすると大きな拍手がわきおこった。 朝鮮第4の文知愛さんは交流会に参加した感想を「一緒に食べた給食も美味しかったし、みんなと仲良くなれてよかった。6年生になっても仲良くしていきたい」と語る。 交流会が終わり、学校を離れる朝鮮第4の児童を谷塚小の児童は門の外まで見送りいつまでも手を振っていた。(琴基徹記者) [朝鮮新報 2003.2.22] |