中大阪初中創立55周年を記念し、3月3日にキム・ヨンジャコンサート |
中大阪朝鮮初中級学校(大阪市東成区)の創立55周年(1月20日)を記念し、南の歌手、キム・ヨンジャさんによる「虹の架け橋」コンサートが3月3日、大阪厚生年金会館大ホールで開かれる。主催するのは同校の学父母らで構成された同実行委員会。「民族教育に対する理解をより多くの人に深めてもらうとともに、北と南、日本の間に夢と希望の虹をかける『虹の架け橋』にしたい」と、実行委員会委員長の朴志勇・同校教育会副会長(46)は意気込む。コンサートでは初級部4年から中級部3年までの児童、生徒がヨンジャさんと共演し、「故郷の春」を披露する。また、これに先立ちヨンジャさんは同校を訪れ、児童、生徒、付属幼稚班園児たちと交流する予定だ。 「内輪の枠」から脱皮 コンサートを企画するきっかけになったのは、昨春に世代交代して出発した教育会の理事会で、21世紀、民族教育を守り発展させるための論議をしたのが始まり。「対外公開授業やチャリティーゴルフなどこれまでの『内輪の枠』から脱皮し、大胆かつ効果的に民族教育を広くアピールし、多くの理解と支持を得たかった」と理事らは口をそろえる。そこで持ち上がったのが、南だけではなく日本でも活躍し、北でも金正日総書記と会見して「4月の春親善芸術祭」にも出演、ソロ公演も開くなど、朝鮮半島と日本でも知名度の高いキム・ヨンジャさんによるコンサートの開催だった。コンサート開催の趣旨にヨンジャさんも快諾。昨年8月、学父母を中心にした13人で実行委員会が組まれた。 日本企業が広告の4割 実行委ではこの間、最低2週に1度は会議を開き、準備を進めてきた。「とくにアボジたちは、これまでアボジ会活動に参加する程度だったが、コンサート決定以後、その成功のために広範な同胞だけでなく、日本市民にもその趣旨を知らせ、協力を得るため、夜遅くまで奔走している」と李俊男校長(44)は語る。
その結果、コンサートのパンフレットに掲載される広告は現在、同胞に加えて日本企業が全体の40%を占めるまでになった。「同胞社会を取り巻く情勢はかつてなく厳しいが、政治と子どもの教育、民族教育の問題は別だと日本市民も広告に賛同してくれた。広告は無理なのでチケット販売を手伝わせてほしい、という人もいた」(朴実行委員長)という。日頃の日本市民との付きあい、交流を最大限に活用した成果といえよう。なお広告料および当日の祝賀金は同校に寄付され運営に当てられる。 コンサート開催が決まるや、これまでに日本と南の新聞社がその案内と同時に同校を紹介したほか、ヨンジャさんの学校訪問にはテレビや新聞など日本のほとんどのマスコミが取材を申し入れているという。また激励の電話や手紙、大阪だけでなく兵庫や京都の同胞からのチケット購入の問い合わせが学校に寄せられている。 中級部3年の金大翼くんは、「6.15共同宣言発表後、北と南の交流が進んだが、ウリハッキョのためにキム・ヨンジャさんがコンサートに出演してくれるなんて本当に夢のよう。祖国の統一が進んでいることを実感する」と話す。 またヨンジャさんの学校訪問の際、北南分断の悲しさを歌った「イムジン河」を披露するという高裕己くん(中級部3年)は、「この歌はキム・ヨンジャさんが『統一への祈り』を込めてNHKの紅白歌合戦でも歌ったもの。歌詞の意味を噛み締めて歌いたい」。 朴実行委員長は、「ヨンジャさんとのジョイント、交流を通じて子どもたちに、国際社会にもはばたけるのだという夢と希望を与えたい。学校がある東成区に住むボクシングの洪昌守選手が自分の力で世界の扉を開いたように」と強調する。 コンサートは3月3日(月)、午後7時から大阪厚生年金会館で開かれる。S席7000円、A席5500円。問い合わせは同校(TEL 06・6976・7644)まで。(羅基哲記者) [朝鮮新報 2003.2.20] |