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教員の資質、待遇の向上−環境作りが急務

 総連第19回全体大会では、民族教育事業を時代と同胞のニーズに合わせて発展させていくことが提起された。その方針に沿って、各階各層同胞からの意見を幅広く収れんし、その意見を 総連第20回全体大会での民族教育方針樹立に役立てていこうと、総連中央常任委員会の諮問機関として発足した「民族教育協議会」。@総連中央常任委員会が諮問する民族教育事業における懸案問題についての対策案を討議し、教育政策樹立に役立つ建議案を作るA保護者をはじめとする同胞の民族教育事業に対する要求と意見を最大限に収れんし、対策案に反映させることで、民族教育に関する社会的関心を高める―ことを目的としている。

民族教育のあり方も

真しな討議が行われた第2回会議

 1日、東京都千代田区の朝鮮会館で行われた第2回会議では諮問テーマ1の討議に先立ち、第1回会議で議論が交わされた諸問題について継続討議がなされた。

 まず、事務局長を務める朴三石・朝大政治経済学部教授が民族教育協議会の会則の中で、活動内容の項目に明記されていた「民族教育に対する同胞の要求と意見を収れんし討議に反映させる、また委員もそれに務める」というくだりを目的部分に盛り込むことを提案。全会一致で採択された。

 続いて、事務局の慎栄根・朝大教育学部講師が前回、委員たちの間で議論が交わされた民族教育のあり方、ビジョンについて報告。委員たちの間で活発な討議が繰り広げられた。

 蔡鴻悦会長(在日本朝鮮人教職員同盟中央本部常任顧問)は、「この問題はすべてのテーマにかかってくる重要な問題」と強調しながら、今後もさらに議論を深めていくことにした。

財源確保の展望を

 さらに、第2回会議の本題である総連中央常任委員会が提起した諮問テーマその1、「朝鮮学校教員の質的水準を高め、彼らの待遇を改善するための方策」についての討議が行われた。

 討議に先立ち、事務局の金陽昇・朝大教育学部助手が報告。@教員養成と再教育制度の充実、採用試験制度や多様な講師採用制度の導入、教育現場での経験や問題意識を共有するための情報システムづくり(事務局が現在進行中)など教員の資質を高めるための対策案A各種公的助成金獲得運動の展開、新たな財源確保の展望など、今後朝鮮学校の財政基盤を確立するためのいくつかの可能性―について提案した。

 討議では、「教員が安心して教育活動を行えるための環境づくりがなによりも重要だ」とした教員の資質と財政確保の関連性を指摘する意見に続き、「そのためにも学校運営のあり方を見直し、新たな財源確保のための具体的な展望を示すべきだ」との提案がなされた。

 また、当面の資金繰りとして行っている事業展開など財政対策の現状、署名運動など民族教育権獲得に関する各地方ごとの経験などが述べられた。財政問題の抜本的解決になる民族教育権獲得運動に関しては、今後の会議で現場の意見を収れんしていくこととした。

 そのほかにも同テーマに関しては、「教員養成の最有力機関としての朝鮮大学校の位置付けとカリキュラムを再検討することが必要ではないか」、「総連中央や各地方本部で現職教員の能力を高めるための取り組みをもっと積極的に推し進めるべきだ」という意見など、さまざまな討議がなされた。

 協議会では諮問テーマ1の討議を第3回会議でも継続して行うことを決めた。 

 また、その広報を朝鮮新報や総連中央のホームページ上で行っていくことも決めた。

 協議会は今後、5つの諮問テーマに沿って2カ月に1回のペースで討議を進める予定だ。(李明花記者)

[朝鮮新報 2003.2.11]