4.24教育闘争テーマにした演劇観覧−神戸朝高の土曜課外活動 |
神戸朝鮮高級学校(崔在鳳校長)の課外活動の一環として1日、神戸市垂水区の垂水年金会館で「4.24教育闘争」をテーマにした朝鮮大学校演劇部による演劇「約束」が上演され、同校生徒と尼崎初中・中級部3年生が観覧した。 各地の朝鮮学校では2003年度から、土曜日を課外活動などにあてる「週5日制」(月1回は休み)を導入するが、神戸朝高ではその移行措置として01年度から月1回、各種課外活動を行っている。今回は、今年55周年を記念する「4.24教育闘争」と関連し、それをテーマにした朝大演劇部の演劇「約束」を観覧。 「4.24教育闘争」とは、GHQの指令を受けた日本政府の朝鮮学校閉鎖令に反対し、全国規模で展開されたたたかい。兵庫では日本当局と激しく対立して弾圧にあったが、1948年4月24日、約5000人もの同胞たちが県庁前で抗議行動を繰り広げた結果、知事から学校閉鎖命令を撤回し、朝鮮学校を特殊学校として認めるとした文書を勝ち取った。しかし26日の大阪での同胞集会への武装警官の拳銃乱射で、金太一少年(16)が亡くなった。 演劇では、日本の国公立大学への受験資格など朝鮮学校に認められていない資格がほしいと、日本学校への転出を考えた現在の女子生徒が55年前にタイムスリップ。そこは教育闘争の現場で、生徒たちが学校を守るために警察とたたかう直前だった。惜しくも1人の生徒が犠牲になったが、民族教育の大切さ、必要性、そして何が何でもそれは守らなければならないということを女生徒は悟る。そして、「チマ・チョゴリを着て学校に安心して通える日」「暴行事件が発生しない日」「すべての権利が約束された世の中」「まだまだ獲得しなければならないことが多い」「われわれがすべきことは多い」ことを現代に戻り訴え、「約束」する。 2年生の李京子さんは「当時のたたかいがあったからこそ、今のウリハッキョもあり、チョゴリを着て登校することができる。これを誇りに感じ、1、2世の方々に感謝したい。そして子どもが生まれればウリハッキョに送りたい」と感想を述べていた。 同じく2年生の金麗美さんは「犠牲者がいたという事実を、演劇を通じて初めて知った。血と汗で学校を守ったことは決して忘れてはならない。とても素晴らしい演劇だった」と言い、「すべての権利が約束され、朝鮮人として自らの夢を実現できる世の中がいかにいいか」というセリフに涙が出たという宋美穂さんは、「われわれがこれからがんばっていくことが重要」と話していた。 演劇は神戸初中でも上演された。 同校では「週5日制」の導入と関連し、3年前に研究グループを発足、2年前から試験的に課外活動を実施。これまでの2年間、近所の特別養護老人ホームでのボランティア、生徒たちのアンケートによって選ばれた映画観賞、料理、日曜大工、アウトドア、地域同胞社会との交流、各種文化芸術活動、講演会などを行ってきた。 「なぜこうしたことを学ぶのかとの問題提起に、生徒たちの学ぶ意欲が高まった。学校が楽しいと遅刻も減った」と、学年主任の許敬教員は大きな手応えを感じている。 「4.24教育闘争」と関連した課外活動としては今後、ビデオ学習、当時の体験者との懇談、感想討論会などを予定している。 [朝鮮新報 2003.2.6] |