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第17回総連各級学校教員の教育研究大会開く、800人が参加

 第17回総連各級学校教員の教育研究大会(教研)が25、26の両日、横浜市の神奈川朝鮮初中高級学校で行われ、各地の朝鮮学校教員や教育関係者約800人が参加した。教研は朝鮮学校教員が日ごろ積み重ねている教授法、実践法を発表する全国レベルのもので、2年に1度行われている。今大会は03年度から朝鮮学校で始まる新カリキュラム、新教科書、「週5日制」に焦点が置かれた。総連中央の゙令鉉副議長はあいさつの中で今後の課題に触れ、@教科書改編をスムーズに進めるための研究を深めるA各地の朝鮮初中級学校を同胞により開かれた場に整えるB民族性を育むための教育の質と実効性を高めるC児童、生徒の減少を食い止め、増加に転じるD保護者たちを学校運営の主人公に押し出す−の5点をあげた。

119の論文発表

 教研では、幼稚班、初級部低学年、初級と中高級部の各科目など18分科別に行われ、119編の論文が発表された。新教科書、新カリキュラムは同胞社会の世代交代、同胞を取り巻く環境の変化、朝鮮学校に対する同胞のニーズを考慮し、民族性を全面に押し出したものになっている。

幼児期における民族性育成について話し合われた幼稚班分科

 口語教育を強化し豊富な言語知識、豊かな民族性を育む内容に改編された「国語(朝鮮語)」。各地では、一部の学校で新しい教科書に採用される教材を使った授業を試みるなどの研究活動が繰り広げられてきた。初級部国語分科では、「聞く・話す技能を高めるためのディベート授業とその事前訓練について」や「『聞き方』から始まる初級部高学年の『話し方』授業研究、新教材『聞くこと・話すこと』を試みた経験から」などそれらの成果をまとめた論文も多かった。

 また、ウリマルを正しく学び使うためのさまざまな取り組みに関する発表も行われた。発表にあわせて東大阪初級などで取り組んだ新しい教材による授業の模様がビデオで紹介されたほか、新教科書に登場する「読み聞かせ教材」の模擬授業も行われた。

 朝鮮学校は03年度から中級部3年で「情報」科目を取り入れるなど情報教育が強化される。今回の教研では「情報」分科が新たに発足、6編の論文が発表された。あわせて朝鮮学校の情報教育を強化するための「総連各級学校情報教育推進委員会」も結成された。

 障害児教育は99年の第15回大会で初めてまとまった調査報告、発表が行われたが、今回は初級部低学年分科で朝鮮学校に子どもを通わせている「ムジゲ会」会員との懇談会が初めて持たれた。

体系的な統一教育

初級部国語分科では新しい「読み聞かせ教材―沈清伝」(初5)の模擬授業を披露する場面も

 教員たちの関心はもっぱら、「民族性とは何か」「民族性を育むためにはどのような実践、教授法が効果的で教育的か」という点だった。

 東京第5初中の金聖蘭教員は北南、在日、日本の子どもたちの交流に携った経験を発表した。南の社団法人「南北オリニオッケドンム」と日本のNGO「南北コリアと日本のともだち展」の協力で北南朝鮮、朝鮮学校の子どもの絵が平壌、ソウル、日本で展示されただけでなく、昨年10月には金教員自身が朝鮮学校の児童、教員とともにソウルを訪問し、南の教員、児童と交流した。

 金教員は、朝鮮学校の子どもたちが統一とアジアの平和のため、独自の役割を果たすことができる存在だということを実感したと語り、6.15共同宣言発表後の統一をめぐる新しい情勢のなかで朝鮮学校における体系的な統一、平和教育が必要だと問題提起した。

 「週5日制」に関しては、00年4月から活用法について研究が進められてきたが、各地で取り組まれている実践と課題が発表された。(張慧純、李明花記者)

[朝鮮新報 2003.1.30]