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「実践」テーマに2003年朝鮮料理店経営集中講座第2回講座行う

 今や恒例となった在日本朝鮮人商工連合会と同胞飲食業者協議会主催の朝鮮料理(焼肉)店経営集中講座。10月の第1回講座に続く第2回講座が11月18、19日の両日、東京上野の朝鮮商工会館で行われ、在日同胞や日本人を含む約50人の経営者、店長らが参加した。「実践から学ぶ朝鮮料理・焼肉店経営〜メニュー開発で店舗再起を図る」をテーマに、FSプランニング代表の押野見喜八郎氏の講義、グループ別店舗見学などが行われた。初の試みとなった「ケーススタディ」ではバーチャル焼肉店店主となって、赤字店を繁盛店にするための構想を話し合った。最終日の夜には叙々苑・游玄亭新宿店で食事交流会が行われた。

商品力ある店に

 第1回目講座(10月22、23日)は朝鮮料理、焼肉店経営の「基本」をテーマに行われたが、2回目は「実践」がテーマ。1回目で学んだものを生かし実践を交えてヒットメニュー作りを考えるという目的で進められた。

グループ別ケーススタディで意見交換を行う参加者たち

 初日は「消費者動向とヒットメニューづくりの秘訣」と題して押野見氏が講義した。「商品力のある店が必ず流行る。そのためには現場を見ることを怠らず、感覚のずれを修正することが大切」と言い切った。

 「消費者し好の現代的要素」、「焼肉店におけるメニュー開発10の切り口」、「価格を見直して売る」など、話すテーマもさまざまだった。

 メニュー開発には、味の変化、ビジュアルとともに調理法や素材の組み合わせを変えることや自家製で一芸を売ることなどが必要だと強調しながら、「新分野では女性客をターゲットに、デザート的商品の開発をしてみるのも一つの方法」だと語った。

 夜には「トラジ・PARAM」(港区汐留)と「正泰苑」(港区芝大門)を訪れ、メニューや内装、肉の味付けについて意見交換を行った。

「常に向上心を」

 2日目のメインは、今回初めて行われたグループ別ケーススタディー「あなたならどうする?!」。仮想の焼肉店「バッファロー」の2代目店主の立場となって、@韓国料理をメインとした居酒屋風Aホルモン焼メインの焼肉店Bファミリーレストラン風焼肉店C焼肉専門店、の4つのコンセプトに沿って、メニューや価格などをグループで考えながら繁盛店へと推し進めていこうというものだ。

 「バッファロー」はアボジ、オモニ、息子といった典型的な家族経営の店。以前は繁盛していたが、ここ数年来の不況、BSE騒動などで売り上げが下降し今では赤字に転落、という設定だ。

 同胞飲食業者協議会の金奉讃副会長が担当者を務めた「焼肉専門店」グループでは、「この仮想店には売りがない」、「価格や発想に魅力がない」、「伝統の味を守りながらも、新しいものを考えていかなければならない」など、活発な意見交換が行われた。

 「いろんな意見が出ているが、在日同胞が経営する焼肉店に決定的に欠けているものがある」と金副会長。「それはメニューの基本思想、お店の『テーマ』をはっきりさせること。それがないと進む方向がはっきりしない」と強調した。

 その後、ターゲットとする客層、単価、FD(食べ物と飲み物)比率などを決め、メニュー構成シートにも主要な焼物、一品料理を書き込み、品名、価格、原価率などを設定していった。

 最後は、グループ別にディスカッションの内容を発表。押野見氏が評価した。

 押野見氏は、「繁盛店にしようとするならば、焼肉をどう扱うかがキーポイントになる。客が何を望んでいるかをつねに忘れずに」などと語った。

 夜には、叙々苑の朴泰道社長の案内で游玄亭新宿店での食事会が催された。朴社長は、「ここに参加したすべての同胞経営者たちにしっかり繁盛してもらいたい」と述べながら、最新メニューの「壺漬カルビ」を公開した。

 ヤキニクSOUL(長野)の徐成俊さんは、「大勢の同業者に会い、意見交換ができたことでいい刺激になった。ここで学んだ点を含め新しいものを積極的に取り入れていきたい」と語った。

 同胞飲食業者協議会の安海元会長は、「向上心を持たなければ業界での厳しい戦いには勝てない。参加した人たちには、勉強する姿勢をつねに持ち続けてほしい」と語っていた。(金明c記者)

[朝鮮新報 2003.12.23]