大阪で在日本朝鮮人医学協会第26回学術報告会 |
さる11月30日、在日本朝鮮人医学協会(医協)第26回学術報告会が大阪府立労働センターで日本各地の同胞医療人と医学生135人が参加して行われた。 朝鮮科学院と医学科学院、朝鮮医学協会から連名の祝賀メッセージが寄せられた今回の学術報告会は、特にソウルから「ウリ民族助け合い運動」の康英植・南北協力事業局長と在米の「朝米医学科学交流促進会」朴文在議長の参加と特別講演が初めて実現した、画期的なものとなった。 開会の辞で医協中央李大国会長は、歴史的な6.15共同宣言に基づいた北と南、海外同胞の交流と協力が大きなうねりとなっている今、医協の学術研究交流事業も、今年度に3万冊の医書を平壌の7つの医療機関へ送り、第5回国内外同胞・平壌医学討論会も南の医師協会代表団の初参加を実現し、「ウリ民族統一医学発展のために!」が共同の合言葉となるなど、新たな発展段階に入ったと力説した。 医科1、2と看護、歯科、東医・柔整の5分科会では24の演題が発表され、ランチョンセミナー3会場では「免疫と漢方」など興味ある講演が行われる中で全員が昼食を取った。 全体会では、まず朝鮮学校中央保健委員会責任者の辺秀俊共和病院院長による「ウリハッキョでの新しい保健教育」と題した報告と提言が行われた後、「南北医学用語の統一に向けた−考察〜第5回平壌医学討論会に参加して〜」の研究発表が文鐘聲大阪大学大学院生により行われた。 注目の康英植南北協力事業局長の特別講演「民族和解運動の現住所と展望〜南側の人道支援 民間団体活動を中心に〜」では、民間分野の対北交流協力には、@政治的性格の民族和解運動、A学術、文芸、言論、体育での一般社会文化交流、B人道的対北支援運動の3つがあると、その大略を紹介し、主題の保健医療分野の交流協力について詳しく述べた。 その中で、この分野の運動は人道主義的運動と交流協力を通じた民族和解運動という両側面があり、97年以降は北の同胞助け合い運動に数百万人の南の民衆が参与する民族運動に発展したし、6.15共同宣言を機に南北関係は当局と民間で制度的交流段階へと進んでいると強調した(特に、いま南では平壌に1つ、数年内に4つの地方都市に輸液と錠剤の製薬工場を建設するため尽力しているとのことで、参加者の感動と共感を呼び起こした)。 米国オークランド大学医務担当副総長、米国基督医療宣教会会長などを歴任した朝米医学科学交流促進会の朴文在議長も、特別講演「在米同胞の朝米関係改善のための努力」の中で、現ブッシュ政府と朝鮮の対決原因について明快に解説したうえで、在米同胞の120万の位相と責任、行動について詳しく述べ、平壌市内に立ち上げた第3人民病院の充実化のために引き続き協力して行くと決意表明をして、参加者の拍手喝さいを受けた。 全体会でのシンポジウム「感染症−過去、現在、未来」では、コメンテーターの南洋二今池南クリニック院長(名古屋)ほか4人のパネリストが、@E型肝炎(札幌手稲渓仁会病院姜貞憲医師)、A結核(横浜市立大第1外科禹哲漢医師)、B新興・再興感染症・SARSを中心に(京都札の辻診療所朴錫勇医師)、C院内感染(東京あさひ病院金秀樹院長)について専門的立場から発表し、活発な討論が行われた。 今回の学術報告会には、日本各地から36人の同胞医学生も参加し、前日には大阪の共和病院とハーモニー共和(老健施設)の見学、「KS医療ネット全国交流会」を熱気あふれるなかで進め、先輩たちの代を継いで同胞医療発展に尽くそうとの決意を新たにした。(医協中央) [朝鮮新報 2003.12.12] |