強制連行問題、個人補償を、米独で前例 |
本紙11月15日(インターネット)付で、朝鮮外務省が9月16日の談話で提案した強制連行者などの被害者とその遺族らに対する「補償問題」は有効≠セと説明した。日本政府もこれまでの朝・日国交正常化会談の中で、「個人の請求権」は放棄できないとしながらも、補償を拒否してきた。 他国の例を見ると、米独間でも「個人補償」は有効として処理している。 最近、米国に住む男性が第2次世界大戦中、ドイツのフォルクスワーゲン社に強制連行され強制労働を強いられたとして、その責任を追及、米国内で裁判を起こした。結果、ドイツ政府と強制連行企業は、米政府を通じて謝罪、補償を実施することを決めた。米・独間ではすでに国家間の過去清算は済んでいるが、強制連行問題は「個人の請求権」として解決しなければならないという考えから、ドイツ政府、企業は補償することにした。 「個人補償」問題に関する立場は日本政府も同じである。 日本外務省条約局長は、1991年8月27日の参議院予算委員会で、「条約では、日・韓両国は国家として持つ外交保護権を相互に放棄した。(だが)いわゆる個人の請求権それ自体を国内的な意味で消滅したということはない」と指摘した。そのため、日本国内では90年代から「戦後補償」として、数多くの裁判が行われている。 朝・日平壌宣言(2002年9月)で双方は、財産および請求権を互いに放棄するとしたが、「個人の補償問題」については触れられていない。 日本が朝鮮占領統治期間に犯した「重大な人権侵害」は、強制連行者840万人、日本軍「慰安婦」20万人など計り知れない。すでに朝鮮側は日本で作成した42万人分の強制連行被害者名簿を入手している。その補償問題を討議するための政府間会談(朝鮮側が提案)に日本側どう応じるか、注目される。(基) [朝鮮新報 2003.12.2] |