「ウリ同胞」として力に |
南の市民団体の招待を受け、「日本人の在日同胞加害問題対策会議」で現状報告を行った総聯代表(団長=呉圭祥朝鮮大学校教授)の随行記者として先月末、ソウルを訪れた。南の社会で、盧武鉉大統領の再信任、イラク派兵問題が取り沙汰されるなかでの開催。この問題を大きく世論化したいとの思いがあった主管団体の魏貞希経済正義実践市民連合(経実連)事務局長(36)は、「悪い時期に開催が重なってしまった」と苦笑する。 しかしそこは2大市民運動団体として「参与連帯」と並ぶ、経実連の力の見せどころだった。当日は呼びかけた多くの主要メディアが取材に訪れ、会議の模様をテレビや新聞などが広く報じた。報道陣の耳目はとくに、6.15以前は考えられなかった総聯代表らの発言に集中した。取材陣に囲まれインタビューを受けた梁玉出副局長の、「恐ろしいのはチョゴリを切る一部の日本人でなく、それを容認する日本社会。私たち在日同胞には民族の誇りを守るという人間らしい営みも許されないのか」という切実な訴えは参加者たちの心を揺さぶった。 会議では第2回会議を日本で行うことも討議されたが、呉教授の、「同じタイトルを掲げて開催しようものなら、すぐさま右翼が駆けつけて妨害するだろう」という言葉に、南の人たちは現状の深刻さを改めて認識していたようだ。 「韓国−在日−日本青年フォーラム韓国委員会」の文治雄共同代表(32)は、「一般市民の間ではとくに総聯系在日同胞に対して認識のない人がほとんどなのが現状だ。今まで無関心だったことを反省している。会議を機に少しでも在日同胞に対する認識が深まれば」と期待する。 「日本の同胞が大変な目に会っている。同じ同胞としてなんとか力になりたい」−そんな熱い思いが心にしみる会議だった。(花) [朝鮮新報 2003.11.4] |