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京都府西陣商工会、西陣同胞生活総合センター、留学同京都立命館支部などの共催で和田春樹氏の特別講演会

講演会には多くの同胞と京都市民が出席した

 朝・日平壌宣言から1年が経過した。マスコミによる「拉致ヒステリー」が渦巻くなか、日本の反動勢力はこの拉致問題と日本の過去を相殺するかのようなキャンペーンを続けてきた。

 こうした厳しい情勢に果敢に立ち向かい、正しい朝・日問題の認識を得ることが緊急な課題だとして在日本朝鮮人京都府西陣商工会、西陣同胞生活総合センター、留学同京都立命館支部などが共催して18日、「今、日朝問題をどう見るか」と題する和田春樹東大名誉教授による特別講演会が、京都市内の立命館大学存心館で130余人が出席して開かれた。

 この講演会を開催するにあたって、関係者らは「このような時期にこそ、日頃組織に網羅されていない同胞や日本の地域住民にも呼びかけて、正確な朝・日問題の認識を共有してもらいたい」として、何度も討議を重ね、チラシなども刷り、多くの人々に講演会の参加を呼び掛けた。

 講演で、和田氏は日本の植民地支配の犯罪性と日本敗戦後も過去の清算もせず、日本当局が取り続けた朝鮮敵視政策を厳しく批判した。そして「平壌共同宣言には日朝を含めた東アジアの新たな秩序形成への構想が盛り込まれている」と指摘。さらに和田氏は日朝国交正常化と朝鮮の統一において、海外、特に在日朝鮮人の果たす役割が大きいと述べた後、日本国民が正しい歴史認識に立ち、今こそ日朝国交正常化運動を展開していくべきだと力説した。

 講演を聞いたある分会長は「朝・日間の厳しい情勢を明せきに分析した歯切れよい話で説得力があった。特に在日同胞の役割がいかに大きいかについて強調されたことに強く共鳴した」と語った。

 また、ある女子学生(22)は「豊富な知識と冷静な見解ですごく聞きやすかった。感情論ではなかったので、違う見方で拉致問題や在日朝鮮人問題が聞けた。よい講演だったと思う。一日も早く日朝国交正常化が成るようにと思った」。また、ある学生(19)も「時代の流れに沿って話がよどみなく進んでいったので、とても分かりやすく、積極的に聞くことができた。先生が最後に在日である私たちが東北アジア、特に、南北朝鮮、日本を一つにする重要な存在であり、結びつける力であるという言葉がとても印象的で、心に残った。すばらしいお話ありがとうございました」と感想を語った。【京都、西陣支局】

[朝鮮新報 2003.10.31]