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各地の同胞が語る「私とサークル」−コーラスサークル「コール・華」(西東京)

 朝鮮の歌が大好きでたまらない西東京地域のオモニたちが集まり結成された女性同盟西東京コーラスサークル。仕事に家事、育児と忙しい主婦業の合間を縫っては活動を続け、今年で17年目を迎えました。

このままでは

 私と歌との出会いは30年も前にさかのぼります。結婚を機に西東京に移り住んでから3年が経ったある日、女性同盟が主催する中央芸術競演大会の重唱部門に出場してみないかと声をかけられたのです。以後、毎年の芸術競演大会参加はもちろん、地域で行われる節目節目の行事には必ずといってよいほど出演してきました。

 歌と出会い、その魅力にのめりこんでいく一方で物足りなさも感じていました。なぜなら当時のサークルはイベントのたびに急きょ結成されるもので、活動はいつもその時限りで終わっていたからです。1つの舞台が終われば次の行事への出場が決まるまでは何もなく、その間は歌への情熱をもてあます日々を送るしかありませんでした。

 「どうにかしなくては」と思っていたのは私だけではなかったと思います。今のままで満足するのではなく水準をいっそう高め、朝鮮の歌を通して聞く人に感動を与えるためには、1つの目標を持ってメンバーが一致団結し、年間を通した練習をこつこつと行っていかなければなりません。

 そんな思いが最高潮に達したのは17年前の関東地方芸術競演大会が終わっての帰り道のことでした。「このままでは終わらせたくない」というオモニたちの間で、思い切って自分たちのサークルを発足させようではないかという話がまとまったのです。

南北交流も

 「下手の横好き」の私は、今だに練習のたびソプラノパートのオモニたちの歌声に聞きほれ、つられては間違えてしまいます。練習日には前回習ったことをすっかり忘れてしまい、またやり直しと必死でついていく有り様です。

 それでも16年間も続けて来られたのは、一生懸命練習した成果が美しいハーモニーとなって響きわたる瞬間の喜びがあったから。その一瞬を励みに、朝鮮の歌や日本の童謡などを楽しんで歌ってきました。

 平均年齢60歳。12人のメンバーはみな70、80歳になっても歌っていこうと意気盛んです。講師の李恵順さんは朝大で教べんをとった経験もあるベテランで、月2回の練習時はいつも笑いが絶えません。元メンバーの息子や娘の結婚式には必ず出演し、お祝いの歌を披露しています。今年7月には由紀さおり、安田祥子のコンサートを聴きに行くなど活動の幅も広がっています。現在は、朝鮮大学校定期演奏会の定番演目となっている「鴨緑江」の合唱への参加に向けて(大学側が受け入れてくれればの話ですが)練習も行っています。関東近郊の地域で歌唱サークルに属しているオモニたちも私たちとともに出演してみませんか? オーケストラをバックに思い切り歌うと、本当に気持ちがよく、ストレス解消間違いなしですよ。

 近いうちに南北朝鮮を訪れ、本場で指導を受けたり、現地の同胞たちと一緒に朝鮮の歌を歌ったりの芸術交流を実現させたいものです。(権錦淑、朝鮮大学校理事会職員)

[朝鮮新報 2003.10.16]