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〈投稿〉 2泊3日の思い出

 9月15〜17日に行われた総聯神奈川県南武支部「高麗長寿会」の慰安旅行に参加した。行先は栃木県の塩原温泉。約30人の同胞が参加した。

 午前10時、バスに乗り込むと、そこには「ハラボジ、ハルモニ 祝賀ハムニダ」という大型ポスターが張られていた。南武初級の子どもたちが書いたもので、心のこもった手紙まであった。感激≠フひと言につきる。そればかりではなかった。商工会の会長はじめ、教育会の理事や職員、学校の先生まで貴重なポケットマネーをはたいて多額の祝賀金を包んでくれたのだ。

 バスは目的地に向け出発した。寂しさが心の隅に残る。すでに多くの1世たちがこの世を去り、あるいは病で一緒に参加できなかったのだ。後輩の私たちは亡き先輩たちに何をしてあげたであろうか、とつくづく思った。

 一行はいざ塩原温泉に到着。渓谷の流れは静かで、早朝、山あいから登る朝日の美しさを眺めながらの露天風呂は最高であった。同胞同士の旅行だけに、たいへんな賑わいだった。

 宴会では、少し酒がまわりはじめると歌を歌い始める人が出るなど盛り上がりは最高潮に達した。

 中には男性の前で初めてマイクを握るという75歳のハルモニもいた。少女のような美しい声で見事に2曲も歌った。

 2日目、一行はりんどう湖ファミリーパークへと向かった。湖畔1周列車に乗り込み、手を振りはしゃぐ姿は、まるで童心に戻ったかのようだった。

 那須岳ではロープウエイで9合目まで登り、後は徒歩で1915メートルの頂上まで声を掛け合い登った。つえをついて登るハルモニが到着すると、みな拍手喝采を惜しまなかった。

 バスの中で一行は、ビデオを鑑賞した。8月に平壌で行われた北と南の「ノレチャラン(のど自慢)」、昨年9月のソウル、全州での「在日朝鮮少年芸術団」公演、平壌を訪れたキム・ヨンジャさんとイ・ミジャさんのコンサートなどだ。

 旅行は、ウリ高齢者たちの身体だけでなく、心にもぴったりあった和気あいあいの楽しい旅であった。そして、支部の若い人たちに支えられた心のこもったあたたかい催しでもあった。本当にコマプスムニダ。(孫済河、総聯神奈川県南武支部「高麗長寿会」)

[朝鮮新報 2003.10.14]