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季節ごとに変わるおすすめ−朝鮮家庭料理・真暖(広島市中区)

 広島市中区にある居酒屋「真暖」は、家庭的な雰囲気の中で朝鮮料理を提供してくれる店として知られる。店主は李朝子さん(59)。

 20年前、広島駅前で店を構えた「広島元祖の朝鮮料理店」だという。一時店を閉めていたが、約3年半余り前、自宅近くで再びオープンさせた。カウンター6席、座敷12人の計18人を収容できるこじんまりとした店だ。

 客の8割は日本人で、その多くは女性だ。客からは「オモニ」「オンニ」と呼ばれている。タクシーに乗って駆けつける人も少なくない。

 店は李さん1人で切り盛りするためメニューの数はそれほど多くないが、慶尚南道出身の李さんのオモニの味が喜ばれている。確信を持って勧めたいと李さん。低価格なのも自慢。常連客が手伝ってくれるため価格を抑えることができるという。

 メニューは、特製チヂミ(500円)、豚キムチ炒め、トッポッキ、豚耳・足(以上600円)、チャンジャ巻(2本=700円)などの「定番」と、「おすすめ」に分かれている。

 チヂミは絶品との評判。実際に食べてみるととても香ばしい。粉から練るところにその秘密があるとか。また冷めても美味しく食べられるのは牛乳を入れているからだという。

 「おすすめ」メニューは季節によって変わる。春には、その日の早朝5時に李さんが取った山菜、三つ葉やセリ、ワラビ、コシアブラ(広島では「バカの芽」)などがナムルとしてふるまわれ、夏はレーメンやチャプチェ、冬はチゲ鍋などが人気だという。

 今ではすっかり李さんの味にほれこんだお客さんたち。注文はほとんど「お任せ」だ。

 「美味しかった」のひと言がパワーの源になっている。(基)

 営業時間 午後5時〜11時30分、日曜祝日休。広島市中区十日市2−3−14 TEL 082・232・6614

[朝鮮新報 2003.10.7]