「万景峰92」号と平壌宣言 |
在日同胞と祖国・朝鮮を結ぶ「万景峰92」号が日本当局の不当な対応により、8月25日以来、3回にわたって新潟西港寄港を妨害されたが、祖国往来の自由、権利を守ろうとする同胞らのたたかい≠通じて、いずれも出港できた。これまでも祖国解放戦争(=朝鮮戦争、50〜53年)支持運動や帰国運動(50年代後半)など祖国を支援し、同胞の諸権利を守るさまざまな重要なたたかい≠ェあったが、今回の出来事も在日朝鮮人運動の歴史に残るたたかい≠セったと言える。 なかでも体を張って先頭にたったのは青年たちだった。同胞を監視しているとしか思えない2000人近い警備態勢、数百人の抗議集団、マスコミに囲まれる中で、同胞と船を守り立派に歓送迎を行った。 ある青年は「あらゆる妨害が繰り返されながらも同胞らが安全に下船、乗船できたことは、あらためて総聯の団結力を示したことになる」と胸を張った。 一方、同号の寄港を阻止しようとする日本政府の対朝鮮敵視政策が改めて露になった。寄港阻止は朝鮮に対する海上封鎖を意味する。そもそもそれは朝鮮を「悪の枢軸」と主張する米国が指摘していたものだ。6者会談を前後して、米国の意向を日本が実行に移した形となった。日本はこのほど、イラク復興を主張する米国に同調し、大規模支援を表明した。米国の顔色をうかがう日本だが、朝鮮との関係においてまずすべきことは、「不幸な過去を清算」し、「関係を樹立」することを両首脳が確認し合った朝・日平壌宣言を履行することだ。 同号の3度目の出港日は宣言発表1周年にあたった。宣言を履行するうえで基本中の基本は「日本の過去の清算問題を解決すること」(16日の朝鮮外務省談話)だ。日本政府は朝鮮の対応の変化を注視しているが、朝鮮との関係を改善するカギは、日本が平壌宣言をいかに誠実に履行するかにかかっている。(基) [朝鮮新報 2003.10.1] |