民団中央一部幹部たちの反朝鮮、反総連行為と関連し、総連中央、民団中央を批判 |
総連中央は25日、民団中央が8月15日の光復節中央記念式典の「慶祝辞」と「抗議文」で朝鮮をひぼうし、総連に挑戦してきた事と関連、民団中央本部を訪ね「抗議文」を伝え厳重に抗議した事に対し、民団中央が口頭でのみ抗議したとか、「抗議に対する本団の見解」なるものをファクスで一方的に送りつけるという不誠実な対応を取る一方、総連の抗議を「同胞社会の和合に冷水」を浴びせるものだと本末転倒の言いがかりをつけている事に対し、「民団中央の一部幹部たちは、同胞社会に分裂と対決をもらすべきではない」と題した一文を民団中央に送ると同時に全同胞に公表した。 内容は「1、総連中央は民団中央本部団長の『慶祝辞』をなぜ問題視したか」「2、『核』『拉致』『在日同胞出身脱北者』問題を正確に見るべき」「3、民族の和解と共助、団結と統一を確約した6.15共同宣言の基本精神に逆行するな」からなっている。 全文は次の通り。 民団中央の一部幹部たちは同胞社会に分裂と対決もたらすべきではない 総連中央は、民団中央が光復節中央記念式典の「慶祝辞」と「決議文」で朝鮮民主主義人民共和国を誹謗し総連に挑戦してきたことに関連し、民団中央本部を訪ね「抗議文」を伝え厳重に抗議しました。 総連中央が民団中央に連絡をとり日取りまできめ、正式に「抗議文」を伝達したにも関わらず、民団中央は事実に反して総連中央が口頭でのみ抗議したと言い、また総連中央に電話連絡をしたが該当者がいなかったことを「理由」に、「抗議に対する本団の見解」なるものをファックスで一方的に送りつけるという余りにも不誠実な態度を取りました。 また「見解」は、民団中央が総連中央に対し先に挑発しておきながらも、我々の抗議を「同胞社会の和合に冷水」を浴びせるものだと前後を逆にし、相変わらず共和国の政策をひたすら非難し総連に言いがかりをつける内容で一貫したものでした。 したがって総連中央は、我々の考えを明らかにしたこの文を民団中央本部に送ると同時に全同胞に知らせることにしました。 1.民団中央本部団長の「慶祝辞」をなぜ問題視したのか 歴史的な6.15共同宣言が発表されて以後3年の間に北と南の和合と交流、団合と統一は「我が民族同士」の旗印のもと民族史の大きな流れを成し、在日同胞社会においても地域ごとに総連と民団の各階層同胞が互いに会い民族的団合を育んできました。 このような時に、民団中央の団長が冷戦時代の古い遺物である外勢共助と民族対決の時代錯誤的な観念にとらわれ、民族史の流れに正面から逆らって、こともあろうに8.15光復節の日に共和国を中傷し総連に「挑戦状」ごときものを突きつけ、同胞社会に障壁を作り、同胞の心に墨を塗るような行為をすべきでしょうか。 このことについて総連同胞はもちろん各階層の同胞人士、とりわけ民団同胞のなかにも「民族和合と団合のすう勢に逆行する時代錯誤」との非難が少なからず、民団の地方組織においては「民団中央は同族分裂をあおって一体どこに行こうとするのか」と憂慮する声が続いて起きていると聞いています。 民団中央は「ハンナラ党」など南朝鮮の極右保守の反統一勢力が8月15日にソウル市庁前で朝鮮の国旗を引きちぎって燃やし、体制を冒涜する許しがたい妄動を起こしたその時に同じようなことを言い同調しました。 この事実は民団中央の一部幹部が果たして誰の脚本に基づいて光復節の「慶祝辞」をし「決議文」を出したのかを、世にはっきりと知らしめるものです。 とくに総連中央が民団中央団長の「慶祝辞」を問題視するのは、こんにちの日本の政治的状況下において彼が在日同胞社会で極めて深刻で到底容認することの出来ない危険な対立をもたらそうとしたからです。 民団団長は「慶祝辞」の中で「北韓の核と拉致問題を口実に、外国人排除を主張する排外主義的傾向が顕著に現れています。このような傾向が日本人と共生を望む意味で展開している我が民団の地方参政権運動に大きな妨害要因として作用しています。まして日本社会においては韓国、朝鮮の識別が難しい現実ゆえ在日同胞は莫大な被害を被っています。 我々はこのように在日同胞社会の災難の大部分は北韓がつくり出しているという事実に憤怒を禁ずることが出来ません」といいました。 そして、その責任の一端が総連にもあると決めつけ、総連同胞がこれに反対し「決起」するよう「訴え」ました。 在日同胞社会は各階各層の同胞で構成されており、思想と政見、団体所属の違いもあります。 しかし在日同胞は一つの血筋でつながった同族であり、日本の地で住むにいたった歴史的な経緯と社会的境遇の共通性から、思想と団体所属の分け隔てなく相互扶助しながら生きてきました。 にもかかわらず「慶祝辞」で民団中央団長が日本社会は韓国、朝鮮の識別が難しいので、総連同胞と民団同胞を分けて見なければならないというふうな「排他の論理」で同胞社会の間に対決を鼓吹したことは、絶対に許すことの出来ない反民族的、反同胞的暴言です。 日本の右翼反動たちが女生徒のチマ・チョゴリを切り裂き、同胞の生命と生活を威嚇し、銃弾と爆発物でテロを行っている状況のなかで、犯罪を行うものに対しては目をつむり、かえって被害を受けている同族を排斥しようとする民団中央の一部幹部たちの妄動は、日本の右翼反動の手先を務める行動だと断ぜざるを得ません。 また民団中央は「見解」のなかで、「本団は同胞社会の和合のため91年以降中央、地方を問わず一貫して貴団体との交流を提議してきた」としているが、これは事実と合わない虚言であります。 1996年、民団創団50周年を控えた時期に辛容祥元民団中央団長が、当時の金泳三大統領の「吸収統一論」を忠実に受け、「民団の歴史は総連との闘争の歴史」であり、「民団の目的は総連を吸収統合することにある」と言い、6.15共同宣言以降も金宰淑団長が「総連は信用できない」と公言しながら、在日同胞社会の和合に反対してきたことはだれもが知っている事実であります。 いま、同胞たちは民団中央団長がこれほどにも反共和国を声高に叫び、同胞社会に危険な対立を作り出そうとしていることを危惧し、抑えることの出来ない憤激を持って糾弾しています。 さらに民団中央は「見解」で、民団を「在日同胞を真に代表する組織」と言っております。 民族和合の時代的要求に逆行し、同胞たちの志向と念願とは異なり、同胞間の排斥と対決を鼓吹し、攻撃の矛先を同族に向ける民団中央の一部幹部たちにそのような資格はまったく無く、したがって民団は在日同胞たちを代表する組織にはなりえず、在日同胞たちは誰もそれを認めません。 また、辛容祥元団長が自らの責任のもとに20世紀内に成就させると言いはり、金宰淑団長もそれを継いで民団の最重要方針とした「参政権運動」が思うように進まない責任まで「核問題」「拉致問題」を口実に、破廉恥にも我々に押し付けていることに対して、民団同胞たちも筋の通らないことだと非難しています。 2.正確に見るべき「核」「拉致」「在日同胞出身脱北者」問題 民団中央の一部幹部たちは「核問題」「拉致問題」「在日同胞出身脱北者問題」を声高に叫んでいるが、彼らの言っていることは一から十まで米国の好戦勢力と日本の右翼反動たちの「主張」を代弁し、そのまままねたものであります。 民団中央は、核問題を取り巻く朝鮮半島の緊張の原因が米国にあるという我々の主張に対し「他者に責任を転嫁してはいけない」としています。 これこそ白黒を転倒させる「論理」であります。 朝鮮半島の核問題は、米国が1958年から南朝鮮に核兵器を引き入れ、核戦争演習と国際的核圧迫騒動で共和国を間断なく威嚇し続けた結果、生じた問題であり、今も南朝鮮とその周辺に配備している米国の核兵器によって、朝鮮半島に恒常的な核戦争の危険があることは周知の事実であります。 したがって共和国が核抑止力を持つことは、国の生存権と自主権を守るための不可避の選択であり、同族と他の国を攻撃するためのものではなく、あくまでも米国を牽制するためのものであります。 朝鮮半島の非核化は共和国の一貫した立場であり、核問題を解決するための本質問題は、米国が共和国に対する敵視政策を止め朝米間に不可侵条約を締結することであります。 共和国は朝米間の核問題解決のための措置を同時行動で履行すべきとの原則を掲げ、そのための一括妥結の図式と同時行動の順序も具体的に提示しました。 だが、民団中央の一部幹部たちは同族である我々の主張にはまったく耳を傾けようともせず、やみくもに共和国に対し「核開発を放棄」せよ、と言っています。 これは米国の言うことなら何でも聞けという、親米・事大売族の見解以外の何物でもありません。 「慶祝辞」は「拉致問題」の「一端の責任」が総連にあるといいがかりをつけ、今回の「見解」に至っては総連に「態度を明確に」せよと迫りました。 総連中央は、すでにさまざまの機会に拉致問題に対する我々の立場を表明しています。 拉致事件は1970年代末から1980年代初頭にかけ、一部の分子らが共和国の法に背き、ひそかに犯した悪行であります。 総連はこの問題について中央委員会第19期第3回会議拡大会議で、今一度我々の見解を明らかにしました。 にもかかわらず、拉致事件とはいかなるかかわりもない総連に対してその「責任」を云々し、意図的に挑発する民団中央の一部幹部たちの妄言は日本の右翼反動勢力に追従するものであり、日本のマスコミの低劣なねつ造記事とその内容はまったく同じであります。 朝・日両首脳の会談と平壌宣言の発表により、本質的問題において解決をみた拉致問題が複雑になったのは、日本当局が共和国との外交的信義に背き、拉致問題を国内政治に利用し、国際化したことに起因するということは周知の事実であります。 「在日同胞出身脱北者問題」にいたっては、民団中央の一部幹部らが国際的謀略機関の下請けの役割を果たしているとしか見ることが出来ません。 最近も、「在日同胞出身脱北者」という者たちが日本にまで来て政治集会を行い、マスコミに登場して騒ぎ立てました。 彼らが誰の道案内で何をもくろんでいるのかは、今日に至ってすでに明白であります。 そのことは、米国と南朝鮮の情報謀略機関と連なって資金を貰いながら「脱北騒動」を起こしている彼ら自身が、「われわれは北朝鮮難民が大使館に押し寄せる状況をつくりだす。それが北朝鮮の崩壊につながるだろう」と、公言していることでも明らかであります。 在日同胞の帰国事業は当時の日本の社会経済状況と在日同胞の利害関係に合致し、全民族と全世界の支持と歓迎をうけた極めて正当で人道主義的な歴史的出来事でした。 したがって在日同胞の帰国事業のため努力した総連組織を問題視するのはまったく不当であり、総連が犯罪者らに同情し、支援しなければならないとするのは話にもなりません。 3.民族の和解と共助、団結と統一確約した6.15宣言に逆行するな 民団中央の一部幹部たちが今日に至って、これほど虚勢をはりながら、共和国を誹謗し総連にいいがかりをつけ挑んでくる背後と企図は明らかであります。 民団中央の一部幹部たちは、昨年10月末にソウルで行われた「集い」で「民団が在日同胞社会の指導母体にならねばならない」とする「上部」の「指示」を受けた後、いっそう息巻いています。 在日同胞社会の指導母体は、愛族愛国と同胞愛の崇高な理念をかかげ、同胞社会において民族性を固守し、同胞の生活と権利を守り、後世代の未来に責任を持って同胞のため献身し、奉仕する組織であらねばなりません。 はたして、歴史的に民族教育と文化活動をはじめ民族性を固守するための活動と同胞の真の民族的権利と尊厳を守るための活動には目をそらし、同胞社会の分裂と対立をあおってきた民団が「指導母体」になり得るでしょうか。 在日同胞社会の「指導母体」になってみるとの民団中央の一部幹部らの妄想は、実現しえない浅はかな夢であります。 あらゆる艱難辛苦にうちかち、民族教育を実施し、新しい世代の民族人材を育て、各界各層の同胞たちを結集し、真の愛族愛国を実践してきたのは総連組織だけであることは、在日同胞社会の歴史が如実に証明しています。 我々は祖国と民族、在日同胞の明日に確信を持っています。 朝米関係は共和国の尊厳と威力、その正義性により我が民族の利益にそって結実を見るであろうし、朝・日関係も平壌宣言にもとづいて不正常な過去を清算し、新世紀の善隣関係に発展していくでしょう。 これはすべての我が民族の確固たる意志であるとともに、北東アジアをはじめ世界の志向であり、歴史の必然的な趨勢であります。 民団中央の一部幹部たちは、朝・日平壌宣言の内容と意義を正しく認識すべきであります。 宣言には「日本側は、過去植民地支配によって朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたという歴史の事実を謙虚に受け止め、痛切な反省と心よりのお詫びの気持ちを表明した」とされており、在日朝鮮人の地位問題も明記されています。 「韓日条約」でなし得なかった日帝の過去の罪科に対する日本政府の謝罪を得て、ハン(恨)多きこの地でありとあらゆる苦痛を強いられてきた在日同胞の法的地位のみならず、包括的な地位問題を解決し、同胞社会の明るい展望を照らしてくれる平壌宣言には、在日同胞全体の重大な利害関係が含まれており、その履行に我々の後世代の未来がかかっています。 さらに統一の里程標である6.15共同宣言にもとづき、北と南、海外のすべての同胞が「我が民族同士」の旗印のもとで繰り広げている統一運動の力強い流れは、誰も妨げることは出来ません。 今こそ在日同胞が思想と政見、団体所属の差を問わず、ひたすら民族愛と同胞愛で団結し、同胞社会を守るため立ち上がるときであります。 民団中央の一部幹部たちが歴史の発展に逆行し、いつまでも反統一的で反同胞的な道を行くならば、同胞たちの糾弾を免れないだろうし、在日同胞の歴史に拭うことの出来ない罪科と汚点を残すことになるでしょう。 総連中央は民団人士たちを含むすべての在日同胞が民族共助の時代的流れにそって、和解と団合のため尽力されることを心より願うものであります。 在日本朝鮮人総連合会中央本部 [朝鮮新報 2003.9.25] |