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日本市民の熱い思い

 「子どもたちが一日も早くのびのびと学校に通えるような状況を作ってほしい」―新潟朝鮮初中級学校の李辰和校長は先日、東京で行われた「外国人学校、民族教育を支える全国連絡会」(以下連絡会)結成総会でこう訴えた。生徒への暴行、暴言、「万景峰92」号入港阻止、総聯関連施設への銃撃事件などさまざな事件により、現在も7〜8人の警官が24時間体制で学校警備にあたっている異常な状況のなかで通学せざるを得ない同校の児童、生徒たち。長引く異常な状況が当たり前の学校風景になりつつある彼らの心境を思うと、いたたまれなくなる。

 大学受験資格問題は、そのような精神的圧迫のなかで生活せざるをえない朝鮮学校の子どもたちに対する新たな差別を生み出した。この問題を機に、各地で朝鮮学校を支える活動を行ってきた日本の市民団体同士が集まり結成された「連絡会」。経験交流を深め、外国人学校、民族学校の一条校に準じた処遇を求めるための政府への要請活動などを行っていく予定だ。

 今年3、7月に全国組織準備会の名前で文科省に対し、すべての外国人学校に大学受験資格を認めるよう求める要請を行った連絡会の多賀秀敏代表(「朝鮮学校を支援する新潟県民の会」)は、「民族教育をめぐるすべての問題はすぐれて日本人の問題。そのような視点に立たなければ根本的な民族教育に対する制度的差別を解決できない」と強調した。

 子どもたちには、朝鮮人としての誇りをもって、夢と希望に満ちた未来をのびのびと歩んでいってほしいと願う。同時に平和を愛し、日本の人々との友好を大事にする心を育ててほしいとも。しかし差別の矛先が一番の弱者である子どもたちに向けられている今、はたしてその願いは実現可能であろうか。朝鮮学校を守ろうと熱い論議を繰り広げる彼らの姿に救われる思いがした。(花)

[朝鮮新報 2003.9.24]