各地で在日朝鮮同胞「敬老の日」−岡山で感謝祭、青商会が無料招待 |
岡山同胞「敬老の日」感謝祭が12日、山桃の枝に見え隠れする由加温泉ホテル「山桃花」(倉敷市)で行われ、約100人のハラボジ、ハルモニたちが楽しいひと時を過ごした。岡山県青商会が主催、無料招待したもの。青商会では子どもたちの輝く未来のためにさまざまな活動を繰り広げる一方で、地域同胞社会の発展に尽くしてきた1、2世のハラボジ、ハルモニたちへの感謝の意を込め、2000年と01年にも感謝祭を催した。その際には多くの商工人などの協力を得たが、今回は青商会だけの力で行ったのが特徴だ。「地域同胞社会の主人公は青商会世代という意識も定着した」(朴現徳幹事長、33)。(羅基哲記者)
この日は、バス4台が県内を回って温泉ホテルに集合。青商会をはじめ女性同盟、朝青メンバーら約40人のスタッフが一行をあたたかく迎えた。 記念写真撮影後、一路温泉へ。青商会、朝青、女性同盟のメンバーらがハラボジ、ハルモニたちの背中を流す。みなニッコリ。ガッシリとしたハラボジの背中を眺める若者たちは、同胞社会を築き守り、子どもたちに民族の心を植え付けてきた在日同胞の生き様を思い浮かべていたようだ。 温泉で汗と疲れを流した一行はその後、宴会場へ向かった。 開会宣言後、まず顧問協議会の崔洛基会長があいさつ。この場を設けてくれた青商会に謝意を表しながら、祖国の統一情勢について言及した。「政治的には協商、経済的には交流が進み、スポーツではすでに統一チームが結成され、人的には往来と交流が進んでいる。祖国は着実にひとつになりつつある」と述べながら、引き続き統一実現のためにがんばっていこうと語った。孫やひ孫たちが立派な朝鮮人としてすくすく育つよう力を尽くしていかなければならないとも強調した。 県商工会の李康烈会長による乾杯の音頭で宴会が始まった。 舞台では、民族衣装をまとった岡山初中・附属幼稚班園児たちがハラボジ、ハルモニたちの長寿を願ってクンジョル(あいさつ)をし、朝鮮の歌を披露。また園児たちが全員に記念メダルをかけてあげると、ハラボジ、ハルモニたちはまたまたニッコリ。金大葉さん(87)は、「民族の心を自然に植え付けてあげるのが一番。民族の代を継いですくすく育ってほしい」と満足そうに話していた。 舞台では朝青舞踊部の踊りや、結成9年目を迎えた女性同盟倉敷支部の「コスモス」、同3年の同支部緑町分会の「チャンミ(バラ)」サークルの2つのコーラスグループが歌声を披露した。「ハンメたちはいつまでも花ですよ」という歌詞に会場はどっとわいた。朝鮮の歌謡曲や民謡に合わせてオッケチュムに興じる参加者たち。 「朝鮮の舞踊を観て、歌を聞けたことが何よりもうれしい」という朴琴順さん(80)は、「今は足が悪くて踊れないけど、昔は踊ったのよ」と少し興奮気味で語っていた。 宴会では男性最長寿の李根雨さん(85)、女性最長寿の姜容河さん(90)に花束が送られた。 最後に、実行委員会を代表して青商会の金千折会長(42)があいさつ。「ハラボジ、ハルモニたちの愛国愛族の精神を引き継ぎながら、若いパワーと行動力で同胞社会を担っていきます」と力強く述べた。 洪乙寿さん(78)は、「お酒を1、2杯飲んで楽しむためだけに来たわけではない。仲間と会い、語ることで新たな力を得ている。お金を残すことも大事だが、それよりも後輩らにもっと大切な民族性を残していかなければならない」としみじみ語っていた。 [朝鮮新報 2003.9.22] |