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朝高ボクシング部の偉業

 朝高ボクシング部がインターハイに出場してから今年で10年。節目の年に、大阪朝高の周太慶選手が見事優勝、2冠を果たした。一方で、東北朝高からは金智哉選手が初出場を果たした。

 記者にとっては今回、初めてのインターハイ取材だった。その場で朝高選手の優勝を目撃することができ、感激はひとしおだった。

 取材の過程、朝高生たちはむろん、日本の高校生たちのボクシングに取り組むまっすぐな姿勢に心打たれる毎日だった。

 とくに今大会、地元長崎の応援団の盛り上がりは凄かった。地元選手の試合になると会場はほぼ満員になり、「モッテコーイ!」「モッテコーイ!」と、長崎流に次の好打を催促≠キる部員、観客らが一体になっての大合唱。その応援に終始、目を奪われたのは記者だけではなかった。

 そんな光景の一方で、地理的な条件もあってか、同胞らの応援が少なかったことに一抹の寂しさを覚えた。

 「同胞社会では、やっぱり『サッカー』なんですよ」。朝高ボクシング部の監督らは冗談交じり(?)で口をそろえた。

 実際、朝高サッカー部が全国大会に出場するとなると、注目の度合い、その応援ぶりは今回のボクシングの比ではないと思う。どれだけの同胞が全国から駆けつけることだろうか。

 とはいえ、全国大会で頂点に上り詰めることの凄さ、それを成し遂げた周選手や、毎回多くの選手をインターハイに送りこんでいる全国の朝高ボクシング部の偉業は多いに称えられるべきだろう。

 2冠に挑む前、周選手は「優勝して同胞たちに少しでも勇気を与えることができれば」と語り、そして約束通り全国の同胞たちに勇気と感動を与えた。

 10年連続でインターハイに出場している朝高ボクシング部。さらには世界チャンピオンも輩出している。本当に凄いことだと思う。(c)

[朝鮮新報 2003.9.3]