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自己のルーツと民族性固守

 新報に対する同胞らの意見を耳にすると、すぐに改善できること、少し時間がかかることなどさまざまだ。が、「こうした意見、内容を反映すべきではないか」という指摘の中には、あらゆる形ですでに紹介しているものも少なくない。とは言え、新報に対する意見を語ってくれるということは、それだけ新報を愛してくれるということ。耳の痛い#癆サもありがたく感じる。

 同胞らに会って多く言われることのひとつに、姓の由来、本貫のことがある。例えば、「密陽 朴氏」。密陽出身の朴家という意味だ。自分のルーツを知りたいという思いの表れだ。

 取材時に持ち歩く姓氏に関する「虎の巻」を開いて、朝鮮にはどのような姓氏があるのか、また一族の流れを示す族譜の由来などについて話す。ネタがつきないほどだ。

 総聯組織に関する意見は少なくないものの、先祖を敬う気持ちは少しも変わりはないことを示している。その根底にある民族心を大切にしていくことが重要だとつくづく感じる。

 かつて、総聯同胞故郷訪問団の取材で南を訪れた際、自分の本貫を知らない若者も少なくないと聞いた。彼らの場合、知ろうという気持ちさえあればすぐに知ることができる。だが、在日同胞は積極的に知ろうとしなければなかなか難しい。在日の場合、本貫を調べる過程は自分の存在を再確認できる絶好の機会にもなる。

 このほど、総聯中央民族性固守委員会の第1回会議が東京で開かれた。朝鮮民族のすばらしさと伝統、歴史を知り、在日同胞らが民族自主精神と自尊心を育んでいけるよう、民族性啓蒙運動を展開していくことが第一の役割だという。

 民族性が薄れがちな在日同胞が民族の魂を取り戻すことによって、同胞社会は再び活気を取り戻すと確信している。同胞らも民族姓固守委の活動に大きな期待と関心を寄せていた。(基)

[朝鮮新報 2003.8.19]