そこが知りたいQ&A−民族性固守委員会はどんな所? |
東京都千代田区の朝鮮会館で8日、総連中央「民族性固守委員会」第1回会議が開かれた。会議では8人の副委員長が任命された。5月の総連中央委員会第19期第3回会議拡大会議で新たに発足された同委員会は、この第1回会議を機に民族性固守運動を本格化することになった。「民族性固守委員会」とは何をするところなのか。 Q 「民族性固守委員会」とはどんな組織なのか。 A その名のとおり、民族性を守り継承していくための組織で、そのための運動をさまざまな形で展開していく 総連中央常任委員会の専門部署だ。 5月に開かれた総連中央委員会第19期第3回会議拡大会議では、在日同胞の間で民族性の喪失が進んでいる現状を深刻に受け止め、それを防ぎ民族性を守り継承していくための運動を本格的に推進していくことを決めた。その事業を、各界各層を網羅した全同胞挙げての広範な運動に発展させるべく、 総連中央に同委員会を設けたわけだ。 Q 組織が作られた目的は。 A 前述のように、同胞社会の間で民族性の喪失が深刻な問題として提起されていることがある。日本の当局と一部右派勢力が、終始一貫して「同化・帰化」政策を推し進めてきたのは周知の事実。とくに、昨年の「9.17」以降はかつてない反朝鮮、反 総連、反朝鮮人キャンペーンが繰り広げられてきた。同胞の間で「帰化」者、「国際結婚」率は年々増えている。法務省入国管理局の統計によると、2001年だけでも同胞帰化者数は1万295人、「国際結婚」の率は01年には81%に達した。 こうした現状を考える時、民族性を守ることは在日同胞社会にとっては、存続できるか否かという生命≠ノ関する問題となる。1955年の結成以来、民族教育など民族性を守る事業を一貫して進めてきた 総連としては、今後も中心事業に据えていく考えだ。 Q どのような人たちで構成されているのか。 A 総連の民族性専門分野、例えば文芸同、体育連合会などの組織代表、同胞社会でこのことに関心と熱意を持ち専門知識と経験、影響力のある同胞人士らがメンバーに含まれている。 総連中央の「民族性固守委員会」は委員長1人、副委員長8人、事務局長1人で構成されている。当面の任期は、来年開催予定の総連第20回全体大会まで。委員会には事務局も設けられた。 Q 具体的にはどんなことをしていくのか。 A 同胞社会で民族性を確固と守り継承していくための戦略、戦術を総合的に研究しその対策を立てていく。そのために 総連の全組織、とくに新しい世代を網羅する団体、民族性固守の専門団体を全て動員する。 当面、来年の総連20全大会を目標に、つぎのような事業を繰り広げることになる。 第1に、朝鮮民族の優秀性と民族の伝統、歴史を深く知らせ、全ての在日同胞が民族自主精神と民族的自尊心を持つようにする民族性啓蒙運動を展開する。 第2に、民族の魂である朝鮮語を学び、日常的に使用すること。また、朝鮮人の姓名、朝鮮籍を守り民族結婚を奨励する運動を展開する。 第3に、芸術文化運動、スポーツ文化運動、生活文化運動を同胞社会の全領域でより盛んに、広範な同胞を網羅した大衆運動へと強化発展させていく。 第4に、新しい世代を主役に押し出し、民族性固守運動を幅広く、この世代の好みと特性に合わせて企画し推進する。 第5に、民族教育の場や民族性固守継承運動の専門団体、新しい世代の団体、女性同盟、 総連の本部、支部に事業システムをしっかりと確立していく。(文聖姫記者) [朝鮮新報 2003.8.19] |