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新たな「線引き」阻止を

 文部科学省は6日、「本国の教育課程との関係を確認するのは困難」との理由から、朝鮮学校卒業生の大学入学資格を各大学の個別審査にゆだねる「方針」を発表した。

 日本の大学への進学をめざす高級部3年生の息子を持つ崔郁虎さん(52、京都在住)は、「1条校に比べても何らそん色ない教育を行っている朝鮮学校が、なぜ韓国学校や中華学校などと線引きされるのか理解できない」と憤る。

 文科省はこの「方針」について、パブリックコメントの募集を始めた(20日締切)。方針決定の参考にするものだが、送られた意見についての具体的な公開などが行われず透明性に欠けるとして「日朝学生有志による院内集会」実行委員会事務局では送ったコメントを共有する窓口をホームページ上で立ち上げた(URL=
http://www.jca.apc.org/~itagaki/racism/)。同委員会では、「内容によっては貴重なコメントが完全に排除される可能性もある。この場で公開することによってその不透明性を正したい」(同ホームページより)としている。

 英米系のインターナショナルスクール16校にのみ受験資格を与えるとした当初案について、文科省が募集した第1回パブリックコメント(3月7〜27日)の結果は、その96%が「すべての外国人学校卒業生に大学受験資格を付与すべきだ」というもので、方針凍結へ向けた追い風となったのは周知の事実だ。

 「朝鮮学校の子どもたちにとっては、一生懸命勉強してきた12年間が否定されるも同じ。今回の方針が決まれば文科省は、彼らの心に新たな傷を残すことになるだろう」(崔さん)

 朝鮮学校と他の外国人学校間に新たな線引きがなされる前に、すべての同胞がパブリックコメントを通じて文科省に「方針」の不当性と公正な判断を訴えるべきだ。時間は限られている。(花)

[朝鮮新報 2003.8.12]