〈夏休みの健康〉 予防と対策 |
楽しい夏休みがやってきた。レジャーなど子どもたちにとっては最高のシーズン。しかしその分、健康には十分に注意を払いたい。この時期、子ども(主に初級部低学年)たちがかかりやすい病気、ありがちな症状、その予防と対処法などについて、東京都足立区の舎人公園クリニックの金英宇院長に聞いた。(まとめ、羅基哲記者) 熱中症 まずは熱中症。高温多湿の環境の下で、体の中と外の暑さ≠フ違い、差によって起きる体調不良をいう。 予防としては、帽子などで日光をさえぎり、体温の上昇を抑えることが必要だ。とくに注意すべき点は、強い日差しによって地面が熱くなっている時で、大人には足が熱い程度でも、大人に比べて体の小さな子どもは体全体が熱くなっている。こまめに日陰などで休息させ、汗をしっかりふき取ることが予防につながる。もし、熱中症にかかった場合、何よりも体を冷やして体温を下げるのが対処法だ。 脱水症 脱水症は、体の水分が足りなくなること。子どもの場合、吐いたり、下痢をしたり、発熱を起こす。子どもの体は大人の3分の1程度なので、簡単に脱水症になりやすい。唇が乾きカサカサしていると黄色信号だ。 予防としては、のどが渇く前に、時間を決めて水分を定期的に与える。30分に1回のペースで補給することもいいだろう。 水分と同時に、塩分も補給したい。ポカリスエットなどは双方を同時に補給できる。 かりに吐き気がある場合は、ポカリスエットを冷凍、シャーベット状にしてなめさせれば、補給しやすくなる。ゼリー状のポカリスエットも市販されている。 症状が激しければ、病院で点滴を受ける必要があることもある。 また下痢を起こしても、水分は補給しなければならない。 熱症 日焼けによる熱傷は、軽い全身のやけどを意味する。 日焼け止めクリームなどを塗るのが予防になる。 海水浴などに出かけ、サンオイルを塗る場合、時間(1時間程度)を決めて、その時間だけ陽にあたるのが望ましい。かりにサンオイルをたびたび塗り、1日中焼いてしまうと、それこそ熱傷になり、痛みを感じたり、水ぶくれになる。 熱傷を起こした場合、まず温度の高いお風呂には絶対に入らない。水風呂に入り体温を下げ、水分を十分に取る必要がある。 食中毒 この時期に多い食中毒。本来は夏ではなく、梅雨時に多発する。レストランなど飲食店で起こりやすいと思われがちだが、家庭内での食事でも発生する。とくに気をつけなければならないのはいわゆる「O−157」で、人の生命をも奪うこともある。 原因の多くは冷凍食品を解凍する時に生じる。外で自然解凍した際、表面で細菌が一気に繁殖するからだ。予防としては、解凍は冷蔵庫の中で、急いでいる時はレンジでする。また十分に加熱することだ。 食中毒は繁殖した細菌による炎症、細菌が出す毒素によって生じるため、対処法は基本的には悪い物を早く体の外に(口から)出すこと。 食べ物や水分などを少し摂取させて吐かせるのが効果的。これは二日酔いの時を思い起こせば、分かりやすいだろう。水分を取る場合、火を通した牛乳などがいい。 また食中毒になった場合、下痢止めの薬を飲むのは避けたい。腸の運動が止まるので、悪い物が外に出にくくなるからだ。 その他 その他、いくつかの注意事項を見てみよう。 食欲がないことは、何かの黄色信号だ。熱がないか、鼻水が出ていないか、十分に調べてみよう。 また熱い外からクーラーの効いた所など、急激に温度が変わるところへの移動は熱さ≠ゥら寒さ≠ヨと変わる体温を制御しようとして反応を起こし、ストレスのたまる原因にもなる。 夏になると、花火が流行る。やけどをした場合はまず、水道水などで10〜20分程度冷やした後、薬で処置したい。ここで冷やす場合、氷を直接あてるのは絶対に避けたい。しもやけになることがあるからだ。 [朝鮮新報 2003.7.26] |