top_rogo.gif (16396 bytes)

「相互扶助の精神」で50年−東京荒川商工会

 企業運営と生活向上などで、在日同胞商工人の活動をサポートしている地域商工会。昨年11月、結成50周年を迎えた東京荒川商工会は、地域同胞企業の発展、ひいては同胞社会の団結と繁栄に寄与することで、大きな支持を得てきた。

ハッキョは心の拠り所

 東京の下町、荒川区を活動区域とする同商工会。祖国解放後、物資不足と混乱の中、地域同胞らが食べて生きていくためにあらゆる努力をし、商売を始める中で1952年11月に結成された。以来、同商工会は同胞の企業権、生活権の確保、発展のために力を尽くしてきた。その存在について、同商工会の監査を務める李益珍さんは、「生活のパートナー」「同胞と同胞をつなぐ橋渡し役」と強調する。

 結成から15年後、67年当時の統計によると、会員は業種別にカバン製造業(20%)、ビニール加工業(12%)、縫製業、飲食業(9%)、プラスチック加工業・靴製造業・その他生産の順で多い。

 零細、家族企業がほとんどだが、今あるのは「相互扶助の精神」があったからだ(李さん)。

 商工人らは、区商工連合会傘下48の商店街の中心になって、各商店街の発展にも貢献。朝・日親善、連携強化に尽くしてきた。

 なかでも、区内の東京朝鮮第1初中級学校の発展に注いだ力は大きかった。

 59年の鉄筋3階建て校舎建設をはじめ、今に至るまで先頭に立って同校を支えてきた。

 朴金萬会長は、その思いについてこう語る。

 「ウリハッキョは同胞にとって心の拠り所。ハッキョがなければ現在の自分たち、同胞社会もなかったはず。先輩たちが血と汗で築き守ってきたハッキョは何があっても引き続き守り、そして発展させていかなければならない。同胞らの団結力、そして地域同胞社会の象徴でもある」

多彩な行事に参加

 先月27日、同商工会結成50周年祝賀会が催された。本来は結成月の昨年11月に開く予定だったが、拉致問題をきっかけに同胞社会を取り巻く情勢は厳しく、延期された。今も情況には大きな変化はないが、それでも開催に踏み切ったのは、「厳しい情勢だからこそ、同胞らがひとつに集まり、そして智恵と勇気を分かち合えば必ず道は開けると確信したからだ」(朴会長)。

 事実、祝賀会では、同胞らが厳しい日本社会の中でも商工会に集うことで生活の基盤を築き、あらゆる困難を乗り越えてきたことに参加者らは力を得て、明日への希望を語り合っていた。

 梁明圓理事長は今後の商工会のあり方についてこう指摘する。

 「世代も交代し、業種も飲食業などが大きなウエートを占めるようになった。後継者たちも着実に育っている。21世紀の時代と同胞らのニーズに応えられるよう団結、開拓、繁栄をキーワードに、経営アドバイス、各種セミナーなどを企画し、地域密着型の商工会として発展させ、ネットワークを拡大していきたい」(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2003.7.25]