各地の同胞が語る「私とサークル」−民族打楽器サークルサムルノリソジョ(鳥取) |
北陸初中、愛知朝高時代の6年間、学校でサムルノリに親しんできた。去年3月の高級部卒業式では、寄宿舎生活をともに過ごした仲間たちと学校生活最後となるサムルノリを披露した。地元を離れ鳥取県で就職、その後も当時の演奏が脳裏から離れず、ついには鳥取の朝青メンバーを巻き込んでサムルノリクラブを立ち上げることになった。 教える難しさ痛感 就職後、「サムルノリをもう一度やりたい」と思いを募らせたが、見ず知らずの土地とあって実現させるのはなかなか難しかった。 そんなある日、地元朝青のメンバーに誘われて海水浴に行った。初対面にもかかわらず兄弟のように接してくれる彼らとともに、心から楽しいひと時を過ごした私は、「こんな仲間とサムルノリができればどんなにいいだろう」という思いを先輩に思い切って打ち明けた。有無を言わさず「だめ」「無理」と言われるかと思ったが、その先輩は意外にも「この地域でも芸術文化サークルを立ち上げたいとかねがね思っていた。経験者がいないため、どうしようかと頭を悩ませていたところだった」と言う。 そして、経験者である私が講師を引き受けることになり、4人のメンバーで昨年10月から練習を始めた。楽器はすべて古い物を手直しした借り物。道具も人数もままならない状況のなかで、週3回ほどの集中的な練習を約1カ月間続けた。 学生時代は教えてもらう立場だったのに、今度は逆転して教える側に。人に教える難しさを初めて痛感した。メンバー4人のなかで一番年が若かった私はプレッシャーを感じながらも、練習がきつくなればなるほど、「ここが正念場」だと自分自身を奮い立たせ、先輩たちを励ましながらがんばった。 みんなの期待背負い 私たちに初めて演奏の依頼がきたのは、地元同胞焼肉店の開店8周年記念イベントだった。今まで練習した成果を試す「デビューステージ」。当日は練習場である米子朝鮮会館に集まり、最後のリハーサルを2回行った。準備万端、1時間半の道のりを会場へと向う。 「営業」という大きな看板を背負い、失敗は許されない。しかし、「失敗してもいいから、笑顔でがんばって!」という店主の一言にメンバーもリラックス。集まった約30人の観客は初めて体験するサムルノリのリズムに大興奮し、初舞台は大成功に終わった。 この舞台がうわさとなって同胞の新年会、地元の朝青員が勤務する日本の幼稚園での誕生日会などにも特別招待された。幼稚園では180人の園児を前にちょっぴり緊張もした。 10月には、朝青、日本や民団の青年たちと合同でイベントを行う。そこでは結成1周年を迎え、より多くの青年たちをメンバーに加えたサムルノリの演奏をイベントで披露する予定だ。 技術的にはまだまだこれから、でもやる気は十分。「これからが腕の見せ所」と肝に銘じ、今まで以上に練習に励んでいきたいと思っている。鳥取のトンポヨロブン、期待してくださいね!(金哲央、サムルノリキャプテン) [朝鮮新報 2003.7.25] |