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最高の和牛を低価格で−焼肉・両班(埼玉県浦和)

 いくつかの飲食業を営んできだ功煥さん(53)が、最終的に行き着いたのが焼肉だった。「焼肉は民族の素晴らしい食文化。その素晴らしさを多くの日本の人たちに伝えたかった」と動機を語る。埼玉大宮に引き続き浦和に当店をオープンさせたのが8年前のこと。

 看板に書かれた「黒毛和牛専門店」の文字がひときわ目立つ。功煥さんにとって、焼肉におけるこだわりは、まず良質な素材にある。神戸牛、近江牛といった最高級の黒毛和牛を使用。「肉肌がきめ細かく、肉自体に甘味がある。トロを食べているよう」と素材に絶対の自信を持つ。しかし、特別なルートから仕入れてくるので、値段は驚くほど安い。「開店当時から値段は据え置きにしている。いい肉を安く提供する、これが当店のコンセプト」と功煥さん。

 特製のタレは、素材の味を最大限に引き出すように研究を重ねたものだ。口に含んでみると、さっぱりした味。果物独特の甘味がある。このタレで食べると、確かにタレはほとんど主張することなく、肉の旨味が口の中に広がる。

 おすすめなのが牛テールの塩焼き。牛のしっぽを薄切りにしたものを、骨がついたまま塩焼きで食べる。熱いけれど手で持って、骨のまわりの肉をしゃぶりつくといい。他店では味わえないメニューだ。

 女性に人気があるのが両班サラダ。トマトと生ハムがボリュームよく盛られ、特製の朝鮮風ドレッシングが味の決め手になっている。

 家族連れには両班セットがおとく。上タン塩焼き(1人前)、骨付きカルビ(2人前)、ロース(2人前)、イカ焼き(1人前)と盛りだくさんで3500円。「儲けを度外視で提供している」とのこと。

 本格派の焼肉が手軽に楽しめる店だ。(徹)

 おすすめメニュー:上タン塩焼き(1000円)、特選和牛ハラミ(1200円)、牛テール塩焼き(700円)、両班サラダ(700円)、レバ刺し(700円)、キムチ(400円)、両班セット(3500円)など。

 営業時間 平日=午後5時半〜11時半。土、日、祭日=午後5時〜11時。水曜日定休。TEL 048・834・4129

[朝鮮新報 2003.7.16]