〈大阪ムジゲ会総会〉 結成2年、同胞らに支えられ |
同胞障害者とその家族のネットワークである大阪ムジゲ会の第2回総会が6月28日、中大阪朝鮮初中級学校(大阪市東成区)で行われ、ムジゲ会会員をはじめ、ムジゲ会を支えてきた朝鮮学校教師、民族学級講師、同胞学生ら約60人が集まった。第1部総会、2部には焼肉を囲んで交流会がひらかれ、これまでの活動を振り返るとともに、今後のさらなる支援について話し合われた。 総会では、はじめに会長の徐貞子さんが2年間のムジゲ会の活動を報告。活動に物心両面の協力を寄せてくれた人たちに感謝の意を表し、これからも会員たちのさまざまな悩みを話し合い解決していきたいとしながら、同時に同胞たちに向けてひらかれた会でありたいと結んだ。 続いて、ムジゲ会結成以来、支援を通して会を支えてきた、介護支援センター「ハートフル東大阪」の申万洙会長が「ムジゲ会の活動は、障害者の問題を同胞社会に広く知らしめるものであり、同胞たちに勇気と力を与えてくれた」とあいさつを述べた。総会最後に、総聯大阪府本部の玄正男同胞生活部長から、新しく選出された役員が紹介された。 また、2部の焼肉パーティーでは、大阪朝鮮高級学校の生徒たちから、6月15日に行われたイベント「ハナマトゥリ」でのバザーの売り上げ金、約8万5000円が贈られた。
総会の間、別室では障害児を対象としたリトミックが行われ、留学同大阪地方本部メンバーを中心としたボランティアら約10人と子どもたちがともに歌やチャンゴを楽しんだ。今後、ムジゲ会でも定期的にリトミックを取り入れていく予定だという。同本部の金喜連委員長(30)は、「今までムジゲ会のさまざまな行事に参加してきたが、まだまだ同胞社会では障害の問題に対して認識が足りないと感じている。これをきっかけにして、福祉を学ぶ同胞学生たちを中心に、留学同の定期的な活動としてボランティアを行っていきたい」と語った。 大阪ムジゲ会は2001年6月に結成。月1回の定例会をはじめ、花見や芋掘り、金剛山歌劇団の公演観覧など、同胞たちの支援と協力を受けながら、幅広い活動を繰り広げてきた。しかし、ボランティアの問題や朝鮮学校への進学問題など、解決されるべき課題は多い。 徐貞子会長(50)は、「留学同や朝鮮学校などからたくさんのボランティアが参加するようになり、活動を通して輪が広がっていることを感じる。今後、ボランティアの定着とスキルアップの問題にも取り組んでいきたい。また、朝鮮学校に通えない学齢期の障害児たちに対する理解がもっと深まればと思う。朝鮮学校との交流などを通して少しずつ問題を解決していきたい」と語った。 現在、会員は13家族。会員数の増加も今後の課題だ。「一家族でも多くの家族がムジゲ会を訪ねてきて欲しい。悩みを打ち明け、共有することで家族の負担を少しでも軽減できると思う」と、副会長の楊鎮嬉さん(50)は期待をにじませる。 障害児をもつ同胞家族たちに、「同じ悩みを話し合える場所がある」という安心感を与えたいというところから出発したムジゲ会。そのためにも、「仕事や家庭のことで手一杯の会員たちも多いが、2人でも3人でも集まる限り、月1回の定例会を着実に行っていくつもりだ」と徐会長は語る。(金雪滋記者) [朝鮮新報 2003.7.8] |