「統一」を体験する在日同胞 |
6.15北南共同宣言発表3周年にあたり、「6.15北南共同宣言と在日同胞社会」の連載を担当した。「故郷訪問」「民間女性交流」「北南鉄道」「白頭から漢拏まで」「統一世代」「北南統一サッカー」をサブタイトルに、幅広い同胞を対象に同胞社会における変化を探った。 いずれの項目も、6.15共同宣言が発表されなければありえないことだった。とはいっても共同宣言からわずか3年しかたっていないため、それほど多くの同胞が変化を体験しているわけではない。いずれは多くの同胞が実生活の中で変化を体験するだろうそのことが統一へのバロメーターにもなると思う。 この問題については、同胞からよく「いつ統一するのか」と聞かれる。統一はすぐには実現しない。まずは、いま行われている北南間の和解と交流、協力事業がさらに進まなければならない。その過程で、互いの誤解を正し、信頼を回復していく必要がある。連載ではまさにその内容を見た。 そしてその次に、どのようにして統一国家を形成していくのか、具体的に積み上げていくことになる。 これまでさまざまな合意をしてきた北南関係だが、ここまで確実かつ着実に改善へと向かったことはなかった。北南両首脳が初めて署名した文書の重みを感じる。取材に応じた同胞らも、それを強く感じていた。 89歳になる1世は、自分が南の故郷を訪れることができたこと、閣僚級会談や人の往来などが継続的に行われていることを例えに上げた。 そして在日同胞には、民族の一員として共同宣言が履行されるよう後押ししていくことが求められる。「ただ単に共同宣言が履行されるのを見守るのではなく、在日として何ができるか、何をすべきかが大切なのだと思う」とある同胞は語っていた。統一という明確な目標があり、そこに民族の共存、共栄、共利が待っている。(基) [朝鮮新報 2003.6.24] |