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〈思い出の日々〉 民族の誇り、実感する日々

 私にとって留学同生活は、祖国の統一と民族の繁栄という自らの信じるところを目指して純粋に突き進んだ、かけがえのない4年間であった。大阪朝高まで民族教育を受けていた私は朝鮮語の講師も担当し、それまで自国の言葉を知る機会のなかった仲間にウリマルを教えたり、留学同の紹介をしたりしながら朝鮮人としての誇りを胸に充実した日々を過ごしていた。

 とくに印象深かったのは大学2、3年の頃に出演した中央芸術大会の男声重唱部門で一番になったこと。毎夜寄宿舎に集い練習した成果が認められた時のうれしさは、今でも忘れることができない。

 京都OB会に続いて結成され、15周年を迎えた関東OB会だが、毎年1度の総会をはじめ登山や囲碁会、「朝まで生討論」と題した時局討論会などを中心に親ぼくを深めている。先日も神宮球場で阪神戦ナイター観戦を企画した。現在、40〜50代前半が中心となって活動しているが、さまざまな世代が留学同京都を合言葉に交流がもてるのも大きな魅力となっている。

 卒業後もこのようなつながりをもてるのは、寄宿舎での日々があったから。先輩、後輩たちと寝食をともにしながら毎日夜遅くまで、政治、学問談義を交わし、ときには恋愛についても語り合った。留学同で知り合ったもの同士の結婚式が行われたこともあった。経済的な余裕のない中、寄宿舎がなかったら大学生活はいっそう厳しかったに違いない。寄宿舎はみんなのよりどころとなっていた。

 後輩たちに伝えたいことは、知的探求心をいっそう高めながら、真偽を見極め、それをより追求していく姿勢を持ってほしいということ。経済的には当時の方が苦しかったが、政治的には今の方が難しい時代を迎えている。だからこそ若いパワーを奮発してがんばってほしい。(趙昌允、京都留学同関東OB会会長)

[朝鮮新報 2003.6.23]