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問われるJR東海の認識

 「きっと君は来ない…」「そうだ京都、行こう」などのテレビコマーシャルはだれもが目にしたことがあるはず。そのJR東海が建設中の高層マンションをめぐり、予定地に隣接する名古屋朝鮮初級学校保護者らが建設反対を訴えた。

 法律上の問題がないからといって、協議の途中で学校側の合意を得ないまま一方的に建設を決定してしまう、工事開始をファクスで知らせる…。現場に行ってみて、とにかくJR東海側の誠意のみえない対応には驚かされた。

 同校教室には急きょ対策本部が設置され、保護者たちはたすきやゼッケンを胸に、連日JR東海本社への要請、名古屋駅前での署名運動などを繰り広げた。呼びかけは全国にも広がり、各地の同胞からも反対署名が寄せられたそうだ。

 「子どもたちが薄暗い校舎や運動場で学校生活を送らなければならなくなると思うと、心配で夜も眠れない」「建ってしまったら終わり」−保護者たちの訴えに企業イメージへの影響を恐れたのか、JR側は強行していた工事をいったん停止。10日にはついに話し合いに応じ、7階2棟と4階1棟の3棟だった建築計画をそれぞれ3、4、5階に変更することを表明した。

 李章哲校長は、「最初からこのような建築計画が出されていれば何の問題もなかっただろう。JR側が計画変更に関する確約書を提出するまで気は抜けないが、これでやっと子どもたちの学校生活が暗闇に閉ざされるような心配がなくなった」とほっとする。

 保護者たちのたたかいが勝利をもたらした高層マンション反対運動だが、JR側は、関係者に多大な精神的、肉体的な負担を与えたことをしっかり認識すべきだ。企業を理解してもらおうと宣伝費に多額の資金を費やす同社だが、まずはこれを機に、足元の朝鮮学校と民族教育への理解と支援を始めることから企業イメージを高めていってはどうだろうか。(花)

[朝鮮新報 2003.6.17]