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各地の同胞が語る「私とサークル」−呉地域20〜30代の会「ナリ会」(広島)

 「ナリ」とは、朝鮮語でゆりの花を意味する。20〜30代までの同胞、日本人女性たち7人が集う共通項は、夫が全員広島・呉地域商工会(゙昌佳会長)に属しているということ。今年4月にできたばかりの会だが、各種文化教室やイベントを企画し、地域のオモニ同士が交流を深めることのできる場にしていきたいと思っている。

夫同士のように

 広島県青商会では、地元の広島朝鮮初中高級学校の子どもたちに通学バスや制服をプレゼントするなど、民族教育を守り発展させていくための活動を活発に行っている。管下の呉青商会メンバーを務める私たちの夫も、遊技業や飲食業など仕事が終わった後の夜11時から幹事会を開いて勉強会や意見交換を行うなど、青商会の活動を積極的に行っている。

 このように夫同士は仲が良い一方で、その妻となるとなかなか接点をみつけることができなかった。職業がら帰宅が遅く日曜日も仕事のある夫が大半であるため、家族ぐるみのつきあいもままならない。そんななか「幼い子どもを抱え自宅にこもりがちな奥さん同士が交流を深め、情報を共有する場をもてないか」と今年4月に立ち上げたのが、「ナリ会」だった。

 会には、同胞と結婚した日本人女性が2人参加している。そのため「朝鮮語がわからない人でも呼びやすい名前を」と考えたのが「ナリ」だった。「月に1度集まり、楽しく過ごそう」というコンセプトのもと、さまざまな企画を予定しているがその第1弾として、4月から3回にかけて「ビーズアクセサリー作り」を体験した。講師の指導を受けながら細かい作業を続けていくうちに、ほんのひと時だが日常のあわただしさを忘れることができる。指輪やネックレス、携帯ストラップなどそれぞれ自分の好きなアクセサリーを作ったが、自分だけのアクセサリーができ上がった時は喜びもひとしおで、それぞれの作品をほめあったりもした。私自身は花模様の指輪とネックレスを作ったが、先日その指輪をしていると近所の人から「すてきな指輪」だとほめられ、とてもうれしかった。

ウリマル講座も

 会を通して交流の輪が着実に広がり始めている。とくに知り合うきっかけの少なかった日本のオモニたちとのつながりができたことがうれしい。

 手作りの会報では、彼女たちのために簡単なあいさつや単語などを日本語に翻訳した「ウリマル講座」も掲載している。何かあった時は互いに連絡し、助け合えるよう連絡網も作成した。初めてのことばかりでまだまだ手探りの運営が続くが、準備過程を通して私自身も少し成長できたように思う。今後も地域オモニたちの交流、心のつながりを第1に考え、民族教育や育児に関する互いの悩みを相談し合える息の長い活動を続けていきたい。(金玉純、主婦)

[朝鮮新報 2003.6.12]