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〈6.15北南共同宣言と在日同胞社会−6〉 北南統一サッカー

4強と互角の北

昨年9月の統一サッカー大会レセプションで朴槿恵欧州アジア財団理事、鄭夢準大韓サッカー協会会長と交流する在日本朝鮮人蹴球協会のメンバーら

 昨年9月、ソウルで開催された北南統一サッカー大会に、北側のコーチとしてスタンド入りした在日本朝鮮人蹴球協会の李清敬理事長(在日朝鮮蹴球団長、45)。自らの経験、活動を踏まえ、6.15共同宣言は「サッカーの分野においてもさまざまな変化をもたらしている」という。

 北と南のサッカー交流は、90年に平壌とソウルで開催されて以来、実に12年ぶりのことである。

 90年の交流は、その直前に開かれた中国北京アジア大会参加を機に、その足で双方の選手が平壌およびソウルをそれぞれ訪れ実現した。李さんは当時、平壌での交流試合を観戦したが、「初めての交流という意義はあったももの、単発的で、政治的な意味合いも見え隠れしていた」

 しかし今回は、政治、経済、文化、スポーツなど交流が幅広く行われる中での実現。李さんのほか、東京朝高出身の安英学さん(アルビレックス新潟)が北側の選手としてピッチに上がった。

 「親善試合だったものの、ワールドカップで南がベスト4入りした直後の試合で引き分けたのを見ると、北のレベルを確認する場にもなった。つまり統一チームを構成して各種国際大会に参加すれば、さらなる力を発揮できると確信した」という。

国際大会に継続参加

 実は、90年の北京アジア大会を前に、北と南は統一チームでの大会出場を協議していた。高位級(総理)会談が行われる中での協議、雰囲気は良かったが、統一チームは実現しなかった。

 李さんは共同宣言が発表されたこんにち、その可能性についてこう語る。

 「国技でもあるサッカーだけは、どのような情勢にあろうと、政治に左右されることなく、各種大会に統一チームで継続的に参加すべきだ。わが民族すべての支持を得られるだろう。それに、わが民族が新しい歴史を創っていくという意志を内外に示すことにもなる。十分に可能だ」

在日がモデルに

 統一チームを構成するうえで、在日もさまざま々な形を通じて貢献することができると李さんは語る。

 「総聯や民団、未組織、日本国籍を保有する同胞を含め、幅広い同胞が民族をキーワードに集まりチームを作る。そして北にも行き南にも行って、民族がひとつになる必要性を示す。統一チームのモデルを作ることができる」

 民族の誰もが熱くなるサッカー。朝鮮民族がサッカーを愛し好むのは、「民族の気概、体質でもある」と語る李さん。統一チームの実現は、民族の生き方、素晴らしさを世界に示すものとなろう。(羅基哲記者=終わり)

[朝鮮新報 2003.6.12]